ももクロは顔を黒塗りにした過去もミセスMVでわかった日本で「無邪気な差別」が繰り返される真因
3人目は作曲家のルートヴィヒ・ベートーヴェン(藤澤涼架が扮している)。私の大好きな作曲家の1人だ。彼の交響曲第9番は史上最高の作品の1つだと私は思う。 ベートーヴェンは、歴史的に3人の中で最も議論の余地のない人物だが、ミュージックビデオの中では、類人猿の1匹にピアノを教えることで文明化を試み(ナポレオンから親指を立ててもらう)、もう1匹には人力車を引かせることで服従させる。 ナポレオンは彼らのピアノ演奏に勇気づけられたようで、類人猿に馬の乗り方を教えようとするが失敗。その後、類人猿たちは全員ナポレオンに敬礼し、明らかにナポレオンが自分たちを支配していることを認識している。
■日本で繰り返される問題 そういえば数年前、J-POPアイドルグループ「ももいろクローバーZ」が、フジテレビの「ミュージックフェア」に、ドゥーワップグループ「ラッツ&スター」と並んで出演することになったのを覚えているだろうか。顔を黒塗りにした「ブラックフェイス」で。 ラッツ&スターは何年も前からそうしていた。彼らは、それが黒人とブラック・ミュージックへのオマージュだと主張している。驚くべきことだが、それが彼らの言い分なのだ。
特に問題だったのは、ももクロのメンバーたちも黒塗りにしていたことだ。彼女たちはブラックミュージックにオマージュを捧げていたわけではない。大人のバカ騒ぎに巻き込まれた無邪気な10代の若者たちだった。 日本における黒塗りについて、SNSでは大きな反発があり、何千人もの日本人が署名した嘆願書まで出された。そこでフジテレビは知恵を絞り、その土曜日の夜に放送されたミュージックフェアでは、黒塗りは編集されていた。
ラッツ&スターやももいろクローバーZの関係者が少しでもググれば、あのような愚行は避けられたはずだ。日本語における黒塗りの不幸な歴史に関する情報さえあったのだから、黒塗りをする前に調べなかった言い訳にはならない。黒塗りは物議を醸すものであり、慎重に扱われるべきものである。 番組の制作スタッフや演者たちは、日本人だから責任を問われることはないと考えたのだろうか? 結局のところ、日本は太平洋に浮かぶ小さな均質な島であり、何世紀にもわたって世界から隔離されてきたのだから、日本人はあらかじめ無知であることを許されるべきなのだろうか?