J2清水は17歳4か月の西原源樹のクラブ史上最年少ゴールで3連勝
◆明治安田J2リーグ第11節 清水3―2仙台(20日・アイスタ) 首位の清水エスパルスが3―2で仙台を下し、今季2度目の3連勝。途中出場した17歳4か月4日の新人MF西原源樹(もとき)が後半38分にプロ初ゴールを決めて、クラブの最年少得点記録を更新した。これまでは石毛秀樹(29、現G大阪)が12年ナビスコ杯(現ルヴァン杯)で決めた17歳8か月だった。 ルーカスブラガの先制点も、北川航也の2戦連続ゴールも吹き飛ばした。昨年12月で17歳になった清水のルーキー・西原の一撃が、オレンジに染まったアイスタを熱狂させた。2―1と1点差に迫られ迎えた後半38分だ。ドウグラスタンキのヘディングがクロスバーに当たり、チャンスが消えたかに見えた。しかし、こぼれ球を味方が回収し、受けた西原がドリブルで侵入。「ファーに打とうと決めていた」と右足を振り抜き、鮮やかにネットを揺らした。「ずっと点を決めたかった」。雄たけびを挙げて走ると、喜んだ先輩たちに手荒い祝福を受けた。 清水の下部組織に所属する高校3年生。2種登録され、2月25日の熊本との今季開幕戦(2―1)に途中出場。クラブ最年少出場の記録を更新した逸材が、9試合目で待望の初ゴールを挙げた。3日のホーム・徳島戦では初先発も務めたが、その後はベンチスタートが続いた。「まだまだ強度が足りない」と反省を胸に練習に向かってきた成果が、ついに実った。 後半アディショナルタイム4分にゴールを献上。結果的に、チームを救う得点にもなった。試合後にはマン・オブ・ザ・マッチにも選出された。清水ユースの先輩でもある北川は「彼の能力や持っているものを日頃見ていれば、『やっとか』という感じです」とたたえた。 3連勝で首位をキープしたが、24日にはルヴァン杯でJ3富山と対戦。28日にアウェー・岡山戦と過密日程が続くだけに、新戦力の台頭は大きい。この日はチームマスコットを前面に押し出す「パルちゃんデー」で、秋葉忠宏監督(48)は「そんな日に初ゴール。エスパルスの申し子かな。末恐ろしい17歳が出てきた」と目を細めた。指揮官から「これで満足せず世界にはばたいてほしい」とエールも受けた逸材は「今日だけに終わらず点を取り続けたい」と前を見据えた。(里見 祐司)
報知新聞社