官邸襲撃、男を鑑定留置 現場にガソリン200リットル持ち込みか
東京・永田町で10月、自民党本部と首相官邸が相次いで襲撃された事件で、警視庁に殺人未遂などの疑いで逮捕された職業不詳の臼田敦伸容疑者(49)=埼玉県川口市差間=について、東京地検が刑事責任能力の有無などを調べるための鑑定留置を始めたことがわかった。期間は来年2月までの3カ月間。 また臼田容疑者が事件当時、現場に持ち込んだガソリンの量は約200リットルだったことも捜査関係者への取材で分かった。 鑑定留置は、精神科医らが容疑者の成育歴や精神疾患の有無などを調べる手続き。その結果を受け、地検は、刑事責任能力の有無や程度を判断。その後、起訴するかどうか決定するとみられる。 公安部によると、臼田容疑者は10月19日午前5時48分ごろから49分ごろまでの間、自民党本部前で警備に当たっていた警視庁の機動隊員に対し、火炎瓶計5本を投げつけ殺害しようとしたなどの疑いがある。 公安部は、現時点で共犯者の存在が確認できないとして、組織に属さず単独で攻撃を図る「ローンオフェンダー」とみて事件の経緯を調べている。
朝日新聞社