型を無償で…住友重の子会社に下請法違反で改善勧告【愛媛】
住友重機械工業の子会社の金属製品メーカーが、下請け企業に対し親事業者の立場を利用して金型などを無償で保管させていたとして、21日、公正取引委員会から改善勧告を受けました。 勧告を受けたのは新居浜市の「住友重機械ハイマテックス」です。 公正取引委員会によりますと「住友重機械ハイマテックス」は去年4月以降、下請けの製造業者5社に対し次回発注の見通しが立っていないにもかかわらず、製品の製造に使う金型や木型などを無償で保管させ、5社の利益を不当に害したということです。 保管させていた金型などの中には大型のものもあり、住友重機械ハイマテックスは保管費用の負担が必要なことを認識していたにもかかわらず、多忙だったことなどを理由に対応を後回しにしていたということです。 親事業者が下請け業者の利益を不当に害することは法律で禁止されていますが、5社は将来の取引に悪影響が出ることなどを恐れて立場上、要請を受け入れざるを得なかったとみられています。 公正取引委員会は、今後同様の行為をしないことを取締役会で決議することや、再発防止策の徹底と下請け業者への通知など5項目の改善勧告を行いました。 会社側は、5社に対しこれまでの保管費用を支払っていて、うち1社についてはすでに金型などを回収済み、残る4社についても今後、対応を進める予定だとしていて、「勧告を厳粛に受け止め、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努める」などとコメントしています。