藤田菜七子が引退届を提出 日本女性騎手の先駆者的存在として活躍
藤田菜七子騎手(27)=美浦・根本=が引退届をJRAに出したことが分かった。11日朝、師匠の根本康広調教師が明かした。 【写真】色紙持ったファン殺到の人気者だった藤田菜七子 スマホ問題で引退届提出 同騎手は23年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたことが判明。騎手として重大な非行があったものと認められるとして、裁定委員会の議定があるまで騎乗停止処分が発表されていた。 同騎手は16年に根本康広厩舎からデビュー。同期には坂井瑠星、荻野極らがいる。同年4月10日に福島9Rのサニーデイズで初勝利。19年フェブラリーSではコパノキッキングとのコンビでJRA女性騎手として初めてG1に騎乗した。同年カペラSでは同馬でJRA女性騎手として初の平地重賞制覇を果たした。抜群のスタートセンスを誇り、19年には新潟の年間リーディングも獲得するなど、日本女性騎手のシンボル的存在として活躍した。 シャーガーCや中東遠征など、海外競馬にも積極的にチャレンジ。古川奈穂、永島まなみ、今村聖奈、河原田菜々、小林美駒、大江原比呂ら女性騎手が数多く誕生するきっかけとなった。今年7月10日に、昨年秋から付き合っていたJRA職員の20代男性との結婚を発表。登録名は「藤田」のまま騎手生活を続ける意向を示していた。自身のインスタグラムでは、「今後も現役を続けますし、より一層競馬に精進してまいります」と、新たな決意を記していた。 ◆藤田菜七子(ふじた・ななこ)1997年8月9日生まれ。茨城県守谷市出身。身長157・4センチ、体重45・6キロ。2016年3月5日に美浦・根本康広厩舎所属でJRA騎手デビュー。同年4月10日の福島9R(サニーデイズ)でJRA初勝利。19年のフェブラリーSでJRA所属の女性騎手として初めてG1に騎乗(コパノキッキングで5着)。同年のカペラSをコパノキッキングで制し、日本人女性騎手として史上初となるJRA重賞制覇を果たした。20年4月26日の福島1Rで女性騎手初のJRA通算100勝を達成。JRA通算166勝(10月10日現在)。今年7月にJRA職員の男性との結婚を発表した。