スクリーンに映し出された谷村新司さんと熱唱する堀内孝雄（左下）。後方下は矢沢透©中嶌英雄

　フォークグループのアリスが１８日、東京・日本武道館で《谷村新司追悼特別企画》「アリスコンサート　２０２４　ＡＬＩＣＥ　ＦＯＲＥＶＥＲ～アリガトウ～」を開催した。昨年１０月８日に７４歳で亡くなったリーダー谷村新司さんの一周忌企画に７８００人が駆けつけた。メンバーの堀内孝雄（７４）と矢沢透（７５）の生演奏に生前の谷村さんの声と映像を合わせ、思い出の地で３人でのアリスが“復活”した。 【写真】 谷村新司さん“復活”唱！“３人”でライブ 　“復活ライブ”に武道館が熱狂した。谷村さんの声と映像をシンクロさせたスペシャルなステージが作り上げられた。 　開演前に堀内は「しっかり見ててね」と谷村さんに語りかけ、「僕らにとって（武道館は）本当に意味のある場所。夢のまた夢のよう」と感激。ライブが始まるとメンバー紹介では「永遠のリーダー谷村新司！！」と叫び、スクリーンには谷村さんが登場した。 　この日のためにセットリストを作り、谷村の声と映像を抜き出して生バンドとシンクロさせ、まさに“３人”でのライブを実現した。業界的にも初の試みで、２曲目の「今はもうだれも」の時点で堀内は涙ぐみ、「なんでおまえは逝ったんだ。胸がいっぱいになってしまう」と声を絞り出し、代表曲「チャンピオン」など２１曲を熱唱。矢沢は「最初は谷村ロスになったけど一生懸命に前を見て自分の技を磨いて谷村に一番いいものを見せたい気持ちだった」と準備を重ねてきた。 　７８年に初めて単独で武道館に立ち、日本人アーティスト初の武道館３日連続公演を成功させた。堀内は「緊張していたんでしょうね」と初武道館は３人で本番前におなかを壊したことを笑いながら振り返った。開演前から３人でせり（舞台の床の一部を昇降させる）に隠れ続けたことも思い起こし、「せりが低かったのでお客さんが入る前から（しゃがんで）隠れないといけなかった。そうしたら３階席から見えてたって話だった」と今となっては笑い話となった出来事を明かした。 　２２年に活動５０周年記念ライブを行い、「ここからリスタートして１０年続けよう」と３人で立てた目標もあった。堀内は「（アリスとして）最後かどうかは、自分たちでも言い切れない。大阪城ホール（１０月１３日）もある」と言いつつ「ひとまずの区切りじゃないですかね」と活動継続については明言しなかった。ただ「いずれは（谷村さんに）会える日が来るんですけど、もうちょっとここで頑張ろうかな」と形は変わっても名曲を歌い継いでいく意志を示した。