なりたいものが多すぎて何者にもなれない小型電子ペーパー端末「Boox Palma」
機能性:OSが古い
サイズ感の次にくる個性がOS。Androidなんです。ただ、Android 11なんですけどね。世間はAndroid 15だというのに…。このOSの大きな遅れはいただけない。電子書籍として普段使いするにはは大して困ることはありませんが、問題はBoox Palmaは電子書籍リーダーではないということ。本人は電子書籍リーダーではなく、小型の電子ペーパータブレットのつもりでいるので、そうなるとじゃぁOSアプデしろよって思ってしまいます。 スペックは、チップがQualcommのGPU内蔵Octa-Core 2GHz。メモリ6GB。特筆すべきはストレージ容量が128GBなこと。フラッグシップスマホレベルなので、電子書籍リーダーとしては太っ腹です。さらにSDカードスロットもあるので容量は拡張可能。素晴らしい! 拍手! ディスプレイはE-Ink Carta 1200。Moon Light 2と呼ばれるほんわかした光が目に優しい。スクリーンサイズは6.13インチ(300ppi、824×1648)。 カメラ(リア16MP)が搭載されていますが、主な用途は写真撮影ではなく、ドキュメントのスキャン。LEDフラッシュライトもあり、こちらは明るさ十分。
使用感:まさかの読書しづらい
前述した通りBoox PalmaはAndroid端末なので、本を読むにはGoogle Play StoreからKindleアプリをダウンロードする必要あり。 1週間ほどBoox Palmaで読書していたら、もやもやしていました。この端末は何になりたいのだろうって。目指すべきはどこなのかって。スマホと電子書籍リーダーの間で揺れていて、どちらにもなりきれていないからです。 スマホサイズで画面のアスペクト比2:1は、読書には不向きです。少なくとも私は読みづらさを感じました。画面が小さくてページめくりが頻発します。文字を小さくすればいいのですが、限度ってものがあります。はっきり電子書籍リーダーである端末には、これは絶対ない悩み。 タッチの感度もスマホやタブレットのようにはいきません。電子書籍リーダーユーザーならわかると思いますが、タッチの反応が悪いわけじゃないけどねというあの感覚です。タップが軽過ぎると反応しないときもしばしばですが、そこは慣れです。 これは個人的な好みなのですが、私はダークモードのヘビーユーザーなので、ダークモードがないのにはがっかり。選択肢として最初からないってどうなんでしょう。レビュー期間中ずっとなにか重要なモノが欠けているようなソワソワがあったのですが、たぶん使い慣れたダークモードがないせいだと思います。