【オーストラリア】〔政治スポットライト〕「日本はオーカスの自然な候補国」豪首相
オーストラリア、米国、英国の各国防相は9日、3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の第2の柱である先端防衛技術の共同開発において「日本との協力を検討している」と正式に発表した。オーカスが新しい協力国について明らかにするのは初めて。オーストラリアのアルバニージー首相は、日本は非常に洗練された防衛力を持ち、技術革新の評価も高いため、オーカスと協力する「自然な候補国だ」と話した。 第2の柱は、極超音速兵器や対潜水艦戦能力、人工知能(AI)などが含まれ、ニュージーランドも参加に前向きな姿勢を示している。 発表された声明は、「技術革新、資金調達、産業上の強み、機密情報・データを適切に保護する能力、インド太平洋地域の平和と安定の推進に対する影響を考慮し、協力の機会を特定する」とした上で、「日本の強みと、3カ国それぞれとの緊密な二国間防衛パートナーシップを認識した」と説明した。 ■豪首相、オーカス拡大は否定 アルバニージー首相は、第2の柱でプロジェクトベースの協力を今後も模索するとした上で、「オーカスを3カ国を超えて拡大する計画はない」と明言した。 オーカス創設時のオーストラリア首相、モリソン氏はソーシャルメディアで、「第2の柱を日本から始めることは理にかなっている」とし、「オーカスは、防衛技術の優位性を拡大し、インド太平洋地域の安定と均衡を支援するために、志を同じくする者の間での最大公約数的なパートナーシップとして構想・設計された。日本が第2の柱に参加することはこれを補完する」との見方を示した。 オーストラリアのコンロイ国防産業相は、「日本には(オーカス3カ国と)信頼と協力における強い基盤があり、先端的な防衛力開発の最前線にいる」とし、「ロジカルなパートナーだ」と評価した。一方、「日本がオーカスに加盟するということではなく、技術協力をするということだ」と強調した。 野党保守連合(自由党・国民党)のバーミンガム影の外相は、「日本は完璧なパートナーだ」と歓迎した上で、「主要な焦点は第1の柱(原子力潜水艦の配備・開発)であるべきだ」と述べた。 ■中国は「深刻な懸念」 中国の外務省報道官は声明を受け、ソーシャルメディアで「米国、英国、オーストラリアがオーカスの拡大を示していることに深刻な懸念を抱いている」と批判。「排他的で、(共通の目的を持った)特別な連合による敵対には反対する」と表明した。