金谷拓実 独占インタビュー! 「恐れながらプレーする自分が出ていた」23年の振り返り、そして24年へ向けた思いとは
1月11日(木)から開幕するソニーオープン・イン・ハワイに出場する金谷拓実。23年、最後まで賞金王争いを繰り広げ、ランキング3位となったのは記憶に新しい。21~22年にかけて“闇落ち”した金谷が、自身の影を振り払い、這い上がり、進化を遂げる24年に向けた思いを週刊ゴルフダイジェストが独占インタビュー。「みんなのゴルフダイジェスト」ではその一部を紹介する!
目標に向かって一歩ずつ
金谷は、2024年の元旦を瀬戸内海の海上で迎えた。これは金谷にとって初めてのことだ。 「知人が初日の出を見ようと誘ってくれて。今までは、年末年始に地元に帰っても、ゴルフばっかりやっていたから……」 元旦からゴルフする。それも一人で黙々と。これが金谷のスタイルだった。金谷にちょっとした変化を感じる。 「でも、2日からは練習しますよ。昔からお世話になっている郷原CCに挨拶にも行きたいですし、有難いことに、すぐにソニーオープンに出られることになりましたから。そして次は、ヨーロッパツアーの中東の試合にエントリーして、順番がくることを待ちながら準備していくだけです」 目標に向かって準備する。これも金谷のスタイルだ。
“ビビり”の自分を克服し、オマーンでの初勝利へ
金谷は2023年、早くも2月にアジアンツアーのインターナショナルオマーンで優勝した。自身2年ぶりの優勝、プロ入り後、海外での優勝は初めてだった。 「前週に昨年の初戦、サウジで試合があって、ギリギリ予選通過したんですけど、自分の調子はよかったんですね。でも3日目4日目もすごくいい球を打てているのに、ピンが端に切ってあったりすると、自然とグリーンの広いほうに飛ぶんです。 ショートサイドに外したくないんですよ。自分でも気づいていたんですけど、キャディさん(ライオネル・マティチャック氏)が『今日、めっちゃビビってプレーをしてた』と。だからオマーンでは、練習ラウンドからずっと、『今週はもうターゲットだけ見て、そこに打つことしか考えない』と言いながらプレーしていました。それを貫いて優勝できた。自分のプレーに自信を持ち、ハザードなど関係なく打つことはすごく大事なんだと気づけた試合でした」 「アマチュアからプロになってすぐは何も怖くないから、自然と1打1打に対して集中してプレーできていたけど、21~22年のプレーがよくなかったから、恐れながらプレーしてしまうんです」 プロ仲間が皆、「メンタルが強い」と口をそろえる金谷だが、本人は大きく首を横に振る。 「いや、めっちゃビビってるから」 一度落ちた気持ちは、なかなか消えてくれない。 オマーンの優勝で弾みをつけ、賞金王を狙って臨んだ日本ツアーでも、開幕から結果が出ていたように見えた。 「やっぱりでも、恐れながらプレーする自分が出るんですよね。するとトップ10には入れても勝つということにはならないんです」