山下智久“一青”とカミーユの対決がついに決着…2人の選択に心揺さぶられる最終話<神の雫/Drops of God>
オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、独占配信中のHuluオリジナル「神の雫/Drops of God」。第8話(最終話)では、一青(山下智久)とカミーユ(フルール・ジェフリエ)の遺産をかけた対決がついに決着。その中で、特に気になったシーンを考察と共に振り返る。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】直感でワインを調合するフルール・ジェフリエ“カミーユ” ■「神の雫/Drops of God」とは 本作は、山下智久の海外ドラマ初主演作となる国際連続ドラマ。全世界でシリーズ累計1500万部を売り上げた漫画「神の雫」(作:亜樹直、画:オキモト・シュウ)が原作となっているが、本作では原作漫画の中心を担う男性キャラクター“神咲雫”をフランス人女性・カミーユに置き換え、聡明なワイン評論家・遠峰一青を“新たな主人公”に設定している。 そして彼らを軸に展開するストーリーは、“時代と国境を越えた華麗で芳醇な人間模様”を壮大かつ細やかに描出し、“ワインに運命を翻弄される男女”が莫大な遺産を懸けて対決を繰り広げる――。 主人公のワインに人生を懸けた男・遠峰一青役を山下が、神の舌を持つカミーユ役をフルール・ジェフリエが担当。そのほか、世界的ワインの権威アレクサンドル・レジェ役をスタンレー・ヴェベールが、一青の母親の遠峰仄香役を渡辺真起子が、父親の遠峰博和役を二階堂智が、一青に自らの内面と向き合うきっかけを与える敏腕ジャーナリスト・片瀬百合香役を岡本あずさが演じる。 ■一青がカミーユに真実を打ち明ける 記者の百合香は、一青の父・博和が住み込みで働く作業現場へ向かう。“一青が親子関係の事実を知っている”と聞かされた博和は、一青のことを「芯の強い大人になるよう愛情を注いできたつもりだ」と話す。百合香は“一青が今でも博和のことを好いている”ということを伝え、一青との写真を手渡した。 テストの最中であるカミーユは、ワインの調合がなかなかうまくいかずむしゃくしゃしていた。息が詰まったカミーユはブドウ畑で畑の土や風の香りを感じ、直感でワインを調合して時間ギリギリに提出した。 遺産相続の立会人、タリオンに採点を頼まれたフィリップは誰が調合したワインか分からない状態で試飲し、「13品種の割合を当てるのは難しい」と言いながらしぶしぶ点数を付ける。 無事テストが終わった夜、一青は釣った魚を調理しパーティーを開く。食事中フィリップが一青の両親が昔ワイナリーに来たときの写真を2人に見せると、そこにはお互いの両親が4人で映っていた。 カミーユが“若き日の博和”を見て、一青に「お父さんにそっくり」と笑いながら言うと、一青は意を決した様子でカミーユに日本語で「(博和は)実の父親じゃない」「僕の実の父親もこの写真の中にいる」と伝えた。 その後、改めて2人で話をして、全ての事実を知ったカミーユは、驚いたり怒ったりせず「(アレクサンドルは)自分たちを真実に近付けるためにこんなことを仕掛けたのかも」と呟く。そしてカミーユは一青のことを“きょうだい”と認め、笑顔を見せるのだった。 ■アレクサンドルから突如言い渡された“最終テスト”… 日本に帰国した2人はついに結果発表の時を迎える。“第3のテスト”で行われた第3ラウンドまでの合計点数を数えると、なんと2人は“同点”という結果になった。 心を通わせた2人はこの結果に喜び合うものの、タリオンは2人にアレクサンドルが遺したという“あるメッセージビデオ”を見せる。実はアレクサンドルは“2人は同点になる”という結果を見越しており、決着をつけるために最終テストとして“「神の雫」を見つけ出せ”と告げるのだった。 メッセージビデオを見たカミーユは「私たちの苦労を踏みにじった」と激怒し、辞退を申し出る。そして同じく一青も「辞退する」と言い出すのだが、タリオンは「辞退すれば遺産はルカのものになる」と伝えた。以前ルカに裏切られていたカミーユは、「ルカには何にも渡さない」と啖呵を切り、結局2人は揃ってテストに参加することになる。 その後、カミーユはワインセラーで“神の雫”を探しながら、父親に言われたセリフを思い出す。それは、アレクサンドルが雨空の下でカミーユをおぶりながら、「雨がなければブドウもワインも命もない」「すべては神の恵み」と話した記憶だった――。 実は「神の雫テスト」の答えは、ワインではなく「雨」。アレクサンドルから聞かされた記憶を持つカミーユが、必然的に勝利する勝負だったのだ。カミーユはこの結果に疑問を呈し、一青に“異母きょうだいならすべて2等分になると訴えてほしい”と頼んだ。 だが一青は訴えはせず、母親の仄香に電話をかけて“自分がアレクサンドルの息子と公表すれば遺産の半分を相続できるが、自分の父親は博和だからそうはしない”と伝える。そして一青は博和のいる場所に会いに行き、2人は再会を喜び合うのだった。 それから時は経ち、カミーユは相続されたワインの一部をオークションにかけていた。会場にはルカもおり、ワインを競り落とそうとするも失敗。カミーユはそんなルカに冷たい視線を送るのだった。また「レジェ・ガイド」はロレンツォとみやびの2人を新編集長として任命した。 一方、一青のもとにはカミーユから大量のワインコレクションが届く。添えられた手紙には日本語で「兄妹」と書かれていた――。 ■アレクサンドルは2人の辞退を想定していた? 世界中を巻き込んだレジェ家の遺産相続騒動は、カミーユの勝利という形で幕を閉じた。アレクサンドルによる最終決戦は、一見すると、カミーユを勝たせるために考えられたお題のようにも思えるが、実際は“娘に自分との思い出を思い出してほしい”という願いが込められていたのではないだろうか。 そしてカミーユと一青が辞退を申し出ることも、あらかじめ想定していた可能性が考えられる。そうなった場合、辞退をさせないようにする対策が必要となるが、それが「2人とも辞退したら、悪事をはたらくルカに遺産を渡す」というものだったのだろう。“カミーユならルカの本性を暴き、遺産が渡ってしまうことを絶対に阻止する”とアレクサンドルは考えていたのかもしれない。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部