センバツ2024 準々決勝 星稜、足絡め鮮やか勝利 県勢初の4強入り /石川
阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第9日の28日、星稜(石川)は準々決勝で阿南光(徳島)に5―0で快勝し、出場16回目にして初の準決勝進出を決めた。石川県勢としても初の4強入り。準決勝は大会第10日(30日)の第1試合(午前11時開始予定)で、健大高崎(群馬)とともに初の決勝進出を懸けて対戦する。【山口敬人、中田博維】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 足を絡めた鮮やかな先制攻撃で、星稜は攻守に勢いづいた。 一回、1死から中谷羽玖(3年)が四球で出塁する。次打者は倒れたが、続く萩原獅士(れお)(同)の2球目に「少しスタートが遅れた」と言いながらも俊足を生かし二盗に成功。「どうしても先制点が欲しかった」と言う萩原の左前打で生還した背番号4は「自分の盗塁からの得点。チームの気持ちが楽になった」と胸を張った。 この日午前1時に金沢市をバスで出発し駆け付けたという生徒らアルプス応援団の疲れも吹き飛ばす先制劇だ。萩原の父賢司さん(49)は「ここぞという場面でよく打ってくれた。調子が良くない感じだったので、やったーという気持ち」と満面の笑みだった。 二回にも6番・能美誠也(2年)からの4連続長短打などで3点を追加。先発右腕の戸田慶星(けいた)(同)にも適時打が飛び出した。戸田の父岳仁さん(52)は「タイムリーは出来すぎ。あとはバックを信じて自分の投球をしてほしい」と祈るような表情だった。 そんな思いに戸田が応えた。「行けるところまで行くつもりだった。コントロールが良かった」と丁寧な投球で凡打の山を築く。終わってみれば無四球で被安打わずか2。完璧といえる投球だった。 星稜は過去4度(第64、67、90、94回大会)、8強の壁にはね返されてきた。中谷は「すごい先輩たちが破れなかった壁を自分たちが破った。本当にうれしい」と誇らしげだった。