観覧車に乗っているとき大地震! 直径60メートルを1周するのに15分、停電したらどうなるの? アミュプラザ鹿児島で聞いた防災対策
9月1日は関東大震災に由来する「防災の日」。今月8日には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、県内でも大崎町で震度5強を記録した。正月には能登半島地震も起きている。災害はいつ発生するか分からない。 【写真】観覧車「アミュラン」に乗り込む利用者ら=23日、鹿児島市のアミュプラザ鹿児島
鹿児島市のアミュプラザ鹿児島は、本館とプレミアム館合わせて約200店舗2800人の従業員を抱える商業施設。運営するJR鹿児島シティによると、自然災害や事件・事故別にマニュアルを作り、有事に備える。 震度5以上の地震では、発生直後に館内放送で周知し、落下物などへ注意を促す。各店では自衛消防隊が店舗と客の安全を確認し、巡回職員に報告。激しい損傷や火災があれば客を誘導し避難させる。 地上最大90メートルの高さとなる屋上観覧車「アミュラン」はどうなるのか。直径60メートルを1周する15分間に地震が起きないとは限らない。 運行は利用者がいなければ停止する。利用者がいれば運転しながら下ろしていく。停電になっても、ゴンドラを下ろす動力は自家発電で十分賄えるという。8日の地震発生時は5台が乗車中だった。順番に客を降ろし、その日の運行を取りやめた。 同日は館全体も特に混乱はなく、地震発生から10分ほどで確認を完了。余震もなかったため全館営業を続けた。ただ、発生直後の館内放送を流し忘れ、その場にしゃがみ込んだり、とっさに外に出たりした客がいたという。同社の福ケ野毅総務部長は「慌てて確認作業に出払ってしまった。今回の反省を糧に対策に取り組んでいく」と話す。
南日本新聞 | 鹿児島