相続税対策で「5億5,000万円の不動産」を購入した富裕層…税務署から目を付けられたワケ【税理士が解説】
経済的合理性の例
金融機関提案の場合、金融機関に考えさせるほうがよいです。ご自身でプランニングする方は上場企業のプレスリリースを参照にしたり、下記のような国税資料をもとに作成したりと、いわゆる土台を用意して、当該案件に沿った流れにすると作成しやすいです。 (例)経済的合理性の例 「2 株式交換の目的等(※3) H2Oリテイリング及びイズミヤは、少子高齢化に伴う消費活力の減退、ネット通販の拡大を中心とする購買スタイルの変化等、顧客の消費動向が急速に変化するなか、市場シェアの確保、様々なニーズの変化を確実に捉える商品・売場・販売チャネルの提供により、顧客からの支持をより強固なものとすることが急務であると認識しており、 本件株式交換は、共通の理念を持つ両社が、関西圏という地域の中で多様な業種業態、取扱商品群を揃えた総合小売サービス業グループを構築することを目的として行うものです。 本件株式交換による経営統合後は、両社の保有するポイントサービス制度を共通化して新しい顧客還元サービスを構築するほか、相互の人事交流を積極的に図りつつ、両社グループの多様な店舗網による情報収集力をもとにした商品開発や物流機能の相互活用などにより、総合小売業グループ全体として強固な体制を構築することを目指しています。」 各取引、特に金額的に重要な取引、後々事実認定ベースになりそうな取引においては、このような証拠を文書化しておくことが必須といえます。 ※3:大阪国税局文書回答事例「別紙持株会社を株式交換完全親法人とする株式交換における事業関連性の判定について」より抜粋。 (参考) 本稿脱稿時点で、「タワマン節税是正検討、評価額を適正水準に政府与党」( https://www.nikkei.com/article/DGXZQUA287CC0Y2A121C2000000/ )という報道があります。 伊藤 俊一 税理士
伊藤 俊一