今もある?小学校の「鉛筆」巡るあのルール 主流は2B、シャーペン禁止、バトエンは? #令和の子
シャーペン、バトル鉛筆はいま
カチカチカチカチ……。「硬い」というより「細い」。HB鉛筆とともに小学生の憧れだったのが、シャープペンシル(シャーペン)だ。30~40代の同僚に聞くと、多くが小学校時代、使用禁止だった。 現在も、東日本のある公立小学校では、保護者向けのしおりに「シャープペンシルは不可」と記載している。 教頭によると、全学年でシャーペンは原則禁止。理由の一つは「子どもの発達段階では筆圧が安定せず、芯がすぐに折れてしまう」。さらに、「芯の入れ替えなどでペンを触っていると授業に集中できない恐れがある」と指摘する。 同じく全学年でシャープペンを使わないよう指導している都内の公立小学校の教員は「周囲でもシャープペンOKという学校は聞いたことがない」と話す。 文科省によると、特に筆記具についての規定は設けておらず、「学校の裁量」だ。 大阪市内の公立小学校では昨年、「中学校では認められている。小学校でも幅があってもいいのではないか」と使用禁止の決まりを削除した。ただ、多くの児童は鉛筆を使い続けているという。 文房具会社のゼブラが2015年に実施したアンケートによると、対象の小学生300人のうち、49・6%が「使っている」と回答したものの、その中で「学校で使っている」は8・6%にとどまった。半数近くが鉛筆を使い、シャーペンは自宅や塾といった場での使用が多くを占めた。
禁止となった文房具はシャーペンだけではない。転がして遊ぶドラゴンクエストの「バトルえんぴつ(バトエン)」も1990年代から2000年代、小学生が熱中しすぎたために、一部の学校で禁止となった。 1993年に登場したバトエン。ゲーム会社の「スクウェア・エニックス」が発売した。六角形の鉛筆のそれぞれの面に「全員に10のダメージ」などの指示が書かれていて、最初の持ちポイントが残っていた人が勝ちという減点方式のゲームだ。 子どもの数が減ったことや、シャープペンシルなどが登場したことなどで、生産量が減りつつあった鉛筆業界を立て直す起爆剤になるほど、人気が高まった。 同社の大沢宗弘さんは「確率計算をしつくして、絶対に勝てる最強の一本を作らないようにしていた。だから子どもたちが夢中になったのかもしれない」と語る。 バトエンは「文房具であり、本格的なゲーム」として大ブームとなったものの、2013年を最後に新商品は作られていない。ただ、17年にオンライン上でバトエンを再現したゲームが登場した。やり過ぎると、家族から「禁止」されてしまうかも? ※この記事は朝日新聞デジタルとYahoo!ニュースの共同連携企画です