京都の大学生ら商店街活性化図る「お化け屋敷」プロデュース
臨場感あふれる演出でリアルさ追求
京都の大学生らが地域商店街活性化プロジェクトとしてお化け屋敷「白藁人形の家」をプロデュースして話題を呼んでいる。これは「京都三条会商店街」(京都市中京区)の空き店舗を活用したもので、立体音響などによる臨場感あふれる演出でリアルさを追求し、恐怖を体験してもらおうというイベントだ。いったいどんな内容か、ちょっと足を運んでみた。 【拡大写真付き】なにわの下町商店街がオリジナルの「ユニークポスター」で活気
京都中の商店街に話を持ち込み決まった
立命館大や京都産業大などの学生たちがつくる「京都お化け屋敷大作戦実行委員会」が主催し、今年で3年目になる。実行委の代表を務める立命館大映像学部3回生の杉浦悠介さん(21)は、こう話す。 「この企画は僕が主体で始めたものです。お化け屋敷は若者がたくさん来るコンテンツですし、それで3年前に考えました。京都中の商店街に話を持ち込み、ようやくここが決まりました。商店街のお客さんの滞留が長くなり、活性化になればありがたいです。中心スタッフは6名。親しい仲間だけだと企画倒れになりかねないので、ツイッターでメンバーを呼びかけました。毎年、メンバーが違います。映像学部なのでPVも制作しました。お驚かせるよりもむしろ、怖がらせることにこだわりました。これまでお化け屋敷で僕は怖かった経験がないので、なら自分で作ろうと思ったんです」
期間は3日まで 自らつくったPVも公開中
この白藁人形の家には、ちゃんと物語がある。江戸時代に病気の娘を治療すると医者に騙され、実は解剖の実験で殺された恨みを持つ母親の霊がさまよっている。参加者は、丑の刻参りの途中で亡くなった母親の霊に白藁人形を渡して成仏させなければならないのだ。 「プロデューサーマインドが学べますし、毎週ミーティングを重ねました。音響、演出や広報活動など、お金がない中でけっこうハードでした。それと、商店街は集客が大事です。お化け屋敷は一過性のものですので、ここからどう結び付けていくかを考えないといけません」(杉浦さん) また、同商店街は100年の歴史を持ち、直線の単一商店街としては長さ日本一と言われ、アーケードが約800メートル続く。古くからの店舗と比較的新しい店舗が共存し、買い物客の年齢も幅広いという。 期間中は商店街11店舗によるコラボレーションメニューを提供し、学生と商店街が連携して商店街の活性化に取り組む。お化け屋敷は3日まで。詳しくは同商店街HPで。PVも公開中だ。 (文責/フリーライター・北代靖典)