【大相撲「給金番付」最新版】幕内力士が手にする「土俵に埋まっているカネ」大公開 大の里は5000万円超え、伸び盛りのスターより古参の平幕力士の方が稼ぐ理由
元大関たちが引退しない理由
持ち給金のような給与体系があるのは、成績と番付の上下が符合しないケースがあるからだ。 「原則として1つ勝ち越せば番付は1枚上がるが、上が詰まっているとそうならない。先場所も平戸海が小結で10勝5敗だったのに、3関脇が勝ち越して貴景勝が大関から落ちたために4関脇となり、席が空かなくて小結に据え置かれた。そうした場合に不満が出ないよう、1つ勝ち越すと持ち給金が0.5円足される」(ベテラン記者) ただ、減額されないことの弊害もありそうだ。 「平幕の給料は同じで負け越しても褒賞金は減らないので、下位で大きく勝ち越した後に上位で大きく負け越すなどして番付の上下が激しい“エレベーター力士”ほど収入が増えやすい。 大関陥落後に平幕で長く相撲を取るベテランが増えたのも、優勝経験や金星の実績がずっと反映される褒賞金があるからという側面がある。幕下に落ちると褒賞金がなくなり、そこでようやく引退する。給与システムにより、“引き際の潔さ”がなくなっているとも言える」(同前) 世代交代の最中にあるように見える角界だが、“給金番付”からは、それがなかなか進まない理由も垣間見えてくる。 ※週刊ポスト2024年10月4日号