ゴルフクラブ殴打騒動、部屋消滅…宮城野親方(元白鵬)を追放しようとする相撲協会幹部に批判的な声が上がる背景
“大甘”処分で難逃れ
元白鵬の宮城野親方(39)問題で揺れる日本相撲協会。弟子の監督責任を怠ったとして、2月下旬に2階級降格処分を下したかと思うと、すぐに、宮城野部屋が春場所後に当面閉鎖される方向だと報じられた。一部に対応が厳しすぎるとの指摘が出ており、協会幹部に対しては「お前らが言うなよ」の声も出始めている。 【写真】「殺虫剤のスプレーに点火した炎で弟弟子の体を」 非道なイジメで処分された北青鵬
相撲担当記者がこう話す。 「生意気で野心的、品格の問題…現役時代、好き放題やってきた宮城野親方に対し、協会が“追放”したがっているのは間違いないでしょう。もちろん、監督者としての責任はありますが、部屋を閉鎖するのは、明らかにやりすぎです。過去に相撲部屋の不祥事が発覚した際、“大甘”処分で難を逃れてきた親方もいます。それが、現在の協会の幹部です」 協会の理事で、巡業部長、指導普及部長、監察委員長、警備本部長を務める春日野親方(61、元関脇・栃乃和歌)。協会のナンバー3で、八角理事長の「側近の一人」と言われている。11年には、門限破りなどをした弟子3人に対し、ゴルフクラブや鉄拳で暴行したことが報じられた。この時、協会は「指導に行き過ぎがあった」として、春日野親方に対し厳重注意処分したのみだった。 「ゴルフクラブ殴打騒動の後も、春日野部屋では問題が起きています。14年には、兄弟子が弟弟子を殴る暴行トラブルが発生。刑事裁判にもなっていて、兄弟子は執行猶予付きの有罪判決を受けています。春日野親方は保護責任者遺棄容疑で告訴されましたが、不起訴処分でした。この時には、事件を公表しなかった相撲協会と春日野親方の隠蔽体質も問題視されています」(前出の相撲担当記者)
まともな食事与えず
協会の理事の中には、自らの部屋を消滅させてしまった者もいる。教習所長、危機管理部長、コンプライアンス部長、博物館運営委員を務める花籠親方(64、元関脇・太寿山)だ。横綱・輪島ら名力士を輩出した花籠部屋は、85年に閉鎖するも、92年に現在の花籠親方が再興。しかし、12年に閉鎖に追い込まれた。理由は経営難だったという。 「当時、写真週刊誌が、経営難の要因のひとつとして、花籠親方一家の贅沢な暮らしぶりがあったと報じています。一方で力士たちには、まともな食事が与えられていなかったとされ、相当な不満がたまっていたと言われています」(前出の相撲担当記者) 現在、ゴルフクラブ殴打騒動があった春日野親方は「指導普及部長」を、部屋を消滅させた花籠親方は「危機管理部長」を担当している。こんな幹部たちに、厳しい声が上がるのも仕方あるまい。 デイリー新潮編集部
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