ハナコ・秋山寛貴、“ピクサーの好きなところ”を語り尽くす(後編)
■『2分の1の魔法』(2020年) 僕はめちゃくちゃ好きですね。家族の話であり、兄弟の話。弟のイアンは、生まれる前に亡くなったお父さんに会いたくて、魔法でよみがえらせようとしたんですが、失敗しちゃって“半分”だけの姿でお父さんを復活させてしまう。魔法が切れる前に、完全に蘇らせる方法を兄のバーリーと探しにいくという物語なんですけど、そういう着地!?っていう、ちょっと予想できない着地になっていてすごく意表を突かれましたし、兄弟やお母さんも含めた家族の変わり方にもすごくグッときました。 ■『ソウルフル・ワールド』(2020年) 思い出の話になりますけど、コロナ禍になって、映画館で上映中止になったり、公開延期になったりして、残念だな、という気持ちになることが多かった中で、この作品は映画館では上映できないけれど、「ディズニープラスで見せます」と言ってくれて。最新作をおうちで見せてくれるんですか?さすが、われらがピクサーと思いました。そのニュースだけでハッピーな気持ちになったのを覚えています。だから好きなんだよ、って思いました。もちろん作品も面白いので、ぜひ見てほしいです。 ■『あの夏のルカ』(2021年) 『ファインディング・ニモ』から劇的にクオリティが上がっていた『ファインディング・ドリー』、さらに水の表現がきれいになっていたのが『あの夏のルカ』。全編を通して壮快な空気、夏らしい清々しさがある作品ですね。ヨルシカのsuisさんが歌うエンディング曲「少年時代(あの夏のルカver.)」も新鮮でしたね。すごくマッチしていたと思うし、うれしい気持ちになりましたね。ジュリアの父さん、マッシモが作るバジルのパスタがめちゃくちゃおいしそうでした。 ■『私ときどきレッサーパンダ』(2022年) ピクサーは毎作品、どんどん新しいことしてくれるなっていう感じがあるのですが、舞台が1990年代のチャイナタウンというのも珍しいですし、これもきっと感情移入する人が多い難しい年頃の女の子の話なんですけど、主人公の親友の一人、アビーの性格が好きで、あの子を心の中に住まわせたいと思いました。 ■『バズ・ライトイヤー』(2022年) また新しい作風ですごく面白くて、すごく見やすいと思います。冒険ものなので。ソックスという猫型ロボットのキャラクターがめちゃくちゃ魅力的で、うちにはソックスグッズがいっぱいあります。 ■『マイ・エレメント』(2023年) これもまた新しい世界観で、まだ見ていないという方は「ディズニープラス」で気軽に再生してみてください。冒頭の2、3分がめちゃくちゃ面白いです。火・水・土・風のエレメントたちがそれぞれの文化的背景を持ちながら生活している様子が描かれていて、一気に引き込まれます。最初に今回はこういう世界の話だよというのをわかりやすく伝えてくれて、そのまま最後まで面白いのがピクサー作品の魅力だと思います。 ■前編 https://www.oricon.co.jp/news/2322246/full/ ■『ピクサー・ベスト』 CD発売中/デジタル配信中 発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 パートナー・レーベルズ