自然、まんが歩いて満喫 氷見キトキトウオーキング 3コース巡る、全国から462人
●海岸線、歴史に触れ 第20回氷見キトキトウオーキング(富山県ウオーキング協会主催、富山新聞社特別協力)は27日、氷見市内を巡る3コースで行われた。16都県から訪れた愛好者や市民ら462人が、海岸線の絶景や歴史ある城跡や寺、まちなかの「まんがワールド」を巡り、能登半島地震被害の復興が進む氷見を満喫した。 【写真】元気にスタートする参加者=市ふれあいスポーツセンター 日本ウオーキング協会認定大会で、市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐさん(元富山新聞記者)のキャラクターや海の景色が楽しめる12キロの「氷見海岸とまんがロード」、6キロの「まんがロード満喫」、家族向けの3キロの「ゆったりファミリー」の3コースが用意された。 12キロでは参加者が発着点の市ふれあいの森大芝生広場から約5キロ北まで進み、折り返して海岸線を歩いた。富山湾や立山連峰のパノラマ、心地よい潮騒など魅力満載のコースに胸を躍らせた。岩手県から初参加の星啓一さん(67)は「海も山もきれいで感動した」と絶賛した。小学2年の長女と全国のウオーキング大会を回っている千葉県の川上聡史さん(51)は「コースにキャラクターがたくさんいて子どもも楽しめた」と笑顔いっぱいだった。 ●ドリームスも参加 街中では参加者が藤子Ⓐさんキャラのモニュメントと記念撮影する姿が見られた。3キロコースにはハンドボール・リーグH男子の富山ドリームスの6選手が参加して盛り上げた。 10回大会から毎年参加している氷見市窪の中野明美さん(80)は「他県の人とおしゃべりするのが楽しみで、地元で新しい発見ができるのも魅力」と話した。 20回を記念し、特産品が当たる抽選会が開かれたほか、参加者には魚のすり身が入った「ととぼち汁」が振る舞われた。出発式では篠田伸二副市長らがあいさつした。市選出の光澤智樹県議も参加した。 ●最高齢88歳、山本さん完歩 参加者最高齢の氷見市白川の山本良子さん(88)は、6キロコースを完歩した。一緒に参加していた夫が亡くなって以来、5年ぶり17度目の参加となり、「天気にも恵まれ楽しかった。みんなに感謝したい」と声を弾ませた。 近所の日詰和子さん(76)が一緒に歩いた。日詰さんは山本さんに「最低でも90歳までは頑張ってもらわんなん。来年も歩きます」と言い、2人は笑顔を見せた。 ●市長選当選の菊地さん、市民と汗 林正之市長の辞任に伴う市長選で、無投票初当選を果たした元県職員の菊地正寛さん(56)が12キロコースを歩いた。所用のため、途中までの参加となったが、市民らと汗を流した。 菊地さんは「県内外から多くの人が訪れ、氷見の活力の源になっている。スポーツを通じもっと元気にしたい」と意気込みを新たにした。 ●コースを一部変更 震災爪痕 参加者、早期復興願う 第20回大会は参加者の安全確保のため、地震で被害を受けた歩道をなるべく通らないようコースの一部を変更し、海岸線を歩く距離が昨年よりやや短くなった。通行可能な歩道でも軽微な陥没箇所やひび割れが見られ、参加者は早期復興を願った。 キトキトウオーキングの見どころの一つである市北部の阿尾城跡は、富山湾に突き出た断崖にある。付近の海岸沿いの歩道は損傷が激しく、実行委は約200メートル区間を通らず、コースを内よりの道に変更した。 金沢市の坂田和子さん(56)は「復旧が進んでいない場所もあり、被災地の現状を知った。北陸は一つの思いで力を合わせないといけない」と気持ちを新たにした。氷見市島尾の前田真紀さん(55)も「歩いたから気付けた爪痕もあった。早く直してほしいが、能登はもっと大変だ」と話した。