鞍手町で新庁舎完成記念式典 次世代型の環境共生を実現
鞍手町新庁舎完成記念式典が12月21日、新庁舎の多目的ホールで開かれた。(宗像経済新聞) 【写真】新庁舎入口 建設後68年が経過し、防災の観点から不安視されていた鞍手町の現庁舎。2016(平成28)年の熊本地震を受け、防災拠点としての庁舎の重要性が再認識されたことから2017(平成29)年、新庁舎の建設に向けた本格的な議論が始まった。それから8年を経て、2025年1月6日に新庁舎の開庁を迎える。開庁に先立ち行われた完成記念式典には、服部誠太郎福岡県知事など112人が出席し、テープカットを行い完成を祝った。 岡崎邦博鞍手町長は「新庁舎は、防災拠点・環境への配慮・保健福祉機能・町民の利便性・利用者の健康性快適性の増進、ブックライブラリー、カフェ、テラスなどさまざまな機能を兼ね備える。一連の事業の中で、石炭資料展示室や埋蔵文化財収蔵庫、子ども広場など街づくりの拠点として、エリア一体を整備した。鞍手町の新たなランドマーク、集い安らげる憩いの場として町民に愛されることを切に願っている」と期待を寄せる。 新庁舎のコンセプトは、「まちに溶け込む『大屋根』のもとに、みんなが集う環境共生庁舎」。設計を担当した、佐藤総合計画社長の鉾岩崇さんは「新庁舎の特徴は、カーボンゼロへの取り組みを徹底して行っていること。大屋根に太陽光パネルを設置し、エネルギーを生み出す。大屋根は日よけにもなっており、夏の直射日光を防ぎ、空調のエネルギーを削減している。大屋根に降った雨水はトイレに利用。地中熱を空調のエネルギーとして利用するなど、鞍手町の自然エネルギーを最大限活用している」と話す。 新庁舎で発電した余剰電力を周辺公共施設へ融通する仕組み(地域エネルギーマネジメントシステム)の構築により、災害時における避難所への電力供給も可能。災害発生時でも庁舎機能を維持可能とし、町民の暮らしを守るための災害対策拠点として機能する。持続可能な社会を先導する環境共生型の施設として、地域の未来を見据えた施設となっている。 鞍手町は現庁舎での業務を12月27日で終了し、2025年1月6日から新庁舎での業務を始める。時間外窓口は12月27日17時から新庁舎で対応する。
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