有権者が考える野党の支持率が伸び悩む理由とは?野党共闘は大きな原因ではなかった?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
米重氏がそのように考える背景には、以前朝日新聞が実施した調査があります。2021年の総選挙の際に「立憲民主党には政権担当能力があるか」という質問をしたところ「ある」が34%、「ない」が58%にのぼったとのこと。 一方で2009年の民主党政権誕生の際に「民主党政権に政権担当能力があるか」と質問したところ「ある」が54%、「ない」が41%となり、「ある」と答えた人の方が多い結果となりました。 2012年に自民党が政権復帰して以降、安倍政権は「悪夢の民主党政権」という言葉を繰り返し使い、野党の政権能力の低さを印象付けてきました。 さらにアベノミクスなどを通して経済政策の成功を感じた層が堅固な自民党支持層に変化し、安倍政権の安定につながったと米重氏は分析します。 その一方で民主党系の野党に対しては「信頼負債」がたまったと米重氏。それらを踏まえ、自民党に代わる政権担当能力を持つ野党がいないという有権者の認識につながっているのではないかとの仮説を立てました。 立憲が支持率に伸び悩む一方、少しずつ支持を伸ばしているのが維新です。
過去3年の支持率の推移を見てみると、2021年の衆院選後と2023年の統一地方選挙の後で支持率を伸ばしています。このような動きについて、維新には立憲のような信頼負債がないゆえに、期待感を如実に反映して支持率を伸ばしたのではないかと米重氏は分析。 直近で支持率を下げている原因については選挙がしばらくなかったことと大阪・関西万博の問題などを挙げつつ「信頼負債がないので選挙が近づくとまた支持率が上がる可能性はある」とコメントしました。 MC千葉佳織「立憲の信頼負債は、そこを経験した世代はずっと持ち続けるのでしょうか?」 MC千葉の問いに対し、払拭するチャンスが来る可能性はあると米重氏。「その時に信頼負債がたまっている状況というのを念頭に置いて、それをいかに突破するかという戦略は必要」とコメントしました。
MC千葉が公明・共産の支持率に大きな動きが見られない点に着目すると、米重氏は両党の歴史の長さと組織政党的な側面に言及。 支持率が低位で安定していることは妥当であるとし「組織政党の場合は電話調査の数字で出にくい実態もあるので、票としてはもっと出てくる」と説明しました。 それと比べると、与党のカウンターとして支持率や票が増減するのが立憲や維新の特徴です。 維新は一時期立憲を追い越す勢いがあったにもかかわらず、また支持率を戻していることについて米重氏は「政党を大きく育てていくことの難しさを象徴している」と締めくくりました。