川勝知事、訓示の「職業差別」発言撤回表明 批判拡大受け
川勝平太知事は5日、新規採用職員への訓示での「職業差別」と受け取れる発言に関し「職業差別と理解する人が急速に増えている。本意ではないので、削除して撤回する」と表明した。その上で「不愉快な思いをさせ誠に申し訳ない。心からおわび申し上げる」と改めて謝罪した。 川勝知事は1日の訓示で「県庁とは別の言葉で言うとシンクタンク。毎日毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたりとか、ものを作ったりとかということと違って、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち。それを磨く必要がある」などと述べた。 川勝知事は5日夕、静岡県庁の知事室前で報道陣に「職業差別は悪で、してはならない。心魂込めて励ましてきた方たちに職業差別を受けているととられるのは遺憾千万」と語った。撤回が発言の4日後になった理由について、農業や酪農従事者、関係団体に批判が広まっている事態を踏まえたと説明した。 川勝知事は2日の辞意表明を受けた3日の臨時記者会見で発言を謝罪したが、「不適切だとは思っていなかった」と撤回はしなかった。坂本哲志農林水産相が5日の会見で発言に苦言を呈し、JA静岡中央会は知事に抗議声明を届ける方針を決めるなど、影響が拡大していた。
静岡新聞社