祝勝会で笑顔の（左から）吉川、岡本和

　◇巨人4年ぶり48度目リーグ優勝 　4年ぶりのV奪回。主将、不動の4番として貢献した岡本和真内野手（28）と、不動の二塁手・吉川尚輝内野手（29）の対談が実現した。今季ここまで2人だけフル出場。優勝争いが激化した9月には3、4番も組んだ。合同自主トレも行い、吉川が2学年上ながら心を許し合った2人ならではの秘話や、素顔を語り尽くした。　（取材・構成＝小野寺　大） 　岡本和（以下、岡）　引っ張っていかないといけない立場になったので、今までの優勝とは違う感情がある。尚輝さんは？ 　吉川（以下、吉）　俺も全然、違ったうれしさがあるね。今までフル出場とかできなかったし、チャンスを“もらってた”って感じだったから。 　岡　尚輝さんは守備はもちろん、打撃も凄い。ずっと一緒にやって見てるから、今年が僕の中では普通というか、打てるのは知っているんで。 　吉　そんなことない。とにかく必死だよ。和真はめっちゃ器用。器用じゃないと一塁も三塁もレフトもできない。しかも守るだけじゃなくて、全試合4番。バッティングに影響してもおかしくないのに、ここって時に打つ。自分じゃ考えられへんもん。もう、リスペクトしかない。“岡本さん”には。 　岡　うれしいっすね（笑い）。 　吉　マジで凄いよ。しかもジャイアンツの4番で結果を出し続けてる。俺には考えられないプレッシャーが絶対あると思うけど、それを表に出さないし、俺らにも見せない。責任感あるのが凄い伝わってくるよ。 　岡　尚輝さんとはプロに入ってからファームでも、1軍に出始めた時期も一緒だった。出始めの頃は、やっぱり心細い。年齢も近いし、自然と尚輝さんと話すことが多かった。マジで心強かった。 　吉　確かに。俺もそうだね。最初は名前も実績もある凄い人ばかりで、今みたいに話しに行けなかった。どこに行くにしろ、いつも和真といた。俺も助かってたわ。 　岡　それと、尚輝さんはね、怒らない。一緒に居て気を使うことないんで楽なんすよ（笑い）。 　吉　俺のこと年上と思ってないもんな（笑い）。しゃべってても“同い年かな？”って思う時あるもん。まあ俺も楽だけど。でも意外と気が利く。のほほんとしてるように見えるけど、礼儀正しいし、気を使えるし「後輩力」もちゃんとあるよ。 　岡　あざす（笑い）。あとはね、一緒に自主トレやってて思うけど、なぜか練習の終わりたいタイミングが一緒よね。 　吉　確かに！「もういいかな」って思ったら和真も「もう終わり」ってなってるし。分かるよ。 　吉　ロッカーも近いけど、和真はいつも何かに集中してる。野球か漫画読んでるか。だから、あんまりしゃべったりしないよね。でも、本気出したらすぐ行動するタイプ。興味があったら、すぐ調べてお店とか行くし行動力ありすぎてビビる。俺はそういうの全くしないから。人の変化とかにもすぐ気づく。だから打てるんかな。 　岡　尚輝さんは優しくていい人っすね。あほやけど（笑い）。大阪遠征の時に新幹線に携帯忘れて、まだその車両乗ってた僕に連絡しようとしてた。携帯ないのに。 　吉　あれはめちゃくちゃ焦った。朝一で取りに行ったもん。そしたら「岡山駅にあります」って。新幹線で取りに行って、すぐ戻ってきた。 　岡　あれから降りる時、バリ確認しますもんね。 　吉　めっちゃする（笑い）。 　岡（一つだけ相手の能力をもらえるなら？）やっぱり守備。尚輝さんみたいにうまかったら、どんな感覚なんやろって。 　吉　スイングスピードかな。「うわ詰まった」とかで（スタンドに）入ったりするでしょ。そんな感覚全くないから。芯食った時の飛ぶ感覚とか感触を知りたいね。 　吉　CS以降は、もう勝つことだけ考えて。和真の前にたくさん塁に出られるように心がけたいし、チームが勝てるような働きをしたい。 　岡　短期決戦なんで先制点とか先手を取りたい。勢いを持ってこられるように頑張ります。