プーチンは20万人を追加招集し「春の攻勢」を準備か…NATO高官「平和を望むなら戦争に備えよ」と警告
「スウェーデンで戦争が起こる恐れがある」
伝統の中立政策を捨て、NATO加盟に舵を切ったスウェーデンのカール・オスカー・ボーリン民間防衛相は7日、「国民と国防」年次全国会議で「約210年間、国民にとって平和は不動のものだという考えはごく身近にある。しかし、この結論に安住することは危険だ」と演説した。スウェーデンにとって最後の戦争は1814年、隣国ノルウェーとの間で起きた。 「赤裸々に言わせてもらおう。スウェーデンで戦争が起こる恐れがある。恐怖に訴えることが第一の目的ではない。現状認識に訴えることが目的だ。もし戦争が起こったら、あなたはどうする。プーチンは2014年にすべてのウクライナ人を目覚めさせたことを理解せずに、22年2月に本格侵攻し、ウクライナ社会全体の統合された力に直面した」 ボーリン民間防衛相は「社会の復元力には現状認識が必要だ」と強調する。時間が最も貴重な資源だ。防災当局の幹部なら、戦争組織を構築し、どの活動を続けるのか決めなければならない。身を守るための安全や代替指揮地へのアクセスは確保されているのか。自主的な防衛組織と協定を結んでいるのか。今すぐに行動を起こすよう同民間防衛相は呼びかける。 地方自治体の委員なら、戦争組織、避難所、緊急給水計画、医療・福祉施設用の暖房・電気の供給を確保する必要がある。従業員なら職場の戦争組織における役割を雇用主に確認する必要がある。個人も各家庭で備えなければならない。「世界は第二次大戦後かつてないほど大きなリスクに直面している」とボーリン民間防衛相は語った。 ■NATOと加盟国の国防計画がこれほど密接に結びついたことはない NATOのロブ・バウアー軍事委員長は17、18の両日、ブリュッセルで開かれた国防相会合で「ルールに基づく国際秩序が大きな圧力にさらされている今、政治的意思と軍事的能力を一致させる重要性はいくら強調してもしすぎることはない。力の地殻変動が起きているのだ。その結果、私たちはここ数十年で最も危険な世界に直面している」と強調した。 「NATOは集団防衛の新時代に突入した。10億の国民と31カ国(間もなく32カ国に)の安全以上に自由と民主主義を守っている。NATOと加盟各国の国防計画がこれほど密接に結びついたことはかつてなかった。同盟国は現在、新しい国防計画の実行可能性を最大化するために積極的に取り組んでいる。NATOの戦争遂行能力の変革が必要だ」 「平和を望むなら戦争に備えよ。備えと抑止力を最大化することは紛争の発生する可能性を最小化する。ロシアの最近の攻撃は壊滅的だが、軍事的には有効ではない。ウクライナ側には実質的な軍事的成功が見られる。30万人以上の死傷者がロシア側に出た。昨年、世界は過度に楽観的だったかもしれないが、今年は悲観的になり過ぎないことが重要だ」 「私たちの社会では紛争や戦争で活動できるのは軍隊だけではないということが理解されていない。好むと好まざるとにかかわらず、社会全体が巻き込まれる。産業基盤もだ。国民も自分たちが解決策の一部であることを理解する必要がある。今後20年何も起きないわけではない。平和であることが当たり前ではないことを認識しなければならない」と釘を刺した。