西武・金子侑司「やったら諦めようかな」不退転の覚悟でOP戦打率・462 2度の盗塁王も昨オフは減額制限超える大減俸
◆オープン戦・西武3―1広島(19日、ベルーナドーム) 西武の金子侑司外野手(33)が「1番右翼」スタメン出場し、3打数2安打1盗塁の大暴れで開幕スタメン入りへアピールした。 ■秋山幸二さんが〝伝説のバク宙〟披露!? 【動画】 1点を先制された直後の初回は左腕玉村の内角直球を左翼線二塁打として、中村剛の同点犠飛をお膳立て。5回は2死から遊撃内野安打で出塁し、二盗を成功させた。 2016年に53盗塁、19年には41盗塁でそれぞれ盗塁王に輝いた俊足に、松井監督は「やっぱりあそこで走れるって大きい」と絶賛。リードオフマンの候補として「十分入っていきますよね」と期待を寄せた。 過去2度の盗塁王も近年は太ももの肉離れなど故障が相次ぎ、成績は下降線をたどった。4年契約の最終年だった昨季は47試合の出場にとどまり、打率1割7分9厘、1盗塁はいずれも自己ワースト。オフの契約更改で減額制限超えの44%減(5600万円減)となる年俸7000万円でサイン。記者会見では「立場や年齢を考えても、もうお金はいい。来年は応援してくれる人に恩返しできたら」と危機感を口にした。 昨年に続いて春季キャンプはB班(2軍)スタート。独自調整した40歳の中村剛や栗山と違い、若手とほぼ同じメニューをこなした。「疲れたけど、体はしっかりつくれた」と充実感にあふれる33歳は「体のケアはしっかりするけど、けがを気にしてプレーが縮こまっていたらあとがない。やってしまったらしょうがないと思えるぐらい準備し、やったら諦めようかなという感じのスタイルです」。万全の準備をした上で悔いのないプレーを心がけ、12日の中日戦で今年オープン戦初出場してから、13打数6安打、打率4割6分2厘と高打率をたたき出している。 昨年も9番左翼で開幕スタメン入りしたが、春先から打率1割台の低迷から抜け出せず、8月1日に出場選手登録を抹消されると再登録されることはなかった。「勝負は開幕してから。1試合でも多く使いたいなと思ってもらえるように」と先を見据えるスピードスターの〝逆襲〟は、ここからが本番だ。(末継智章)
西日本新聞社