【稽古場レポート】今牧輝琉・古田一紀らが稽古で奮闘!ミュージカル「NO.6」は「“心を前のめりに”して観て」
今牧輝琉と古田一紀が主演を務めるミュージカル「NO.6」の稽古場取材会が、10月下旬に東京都内で行われた。 【画像】ミュージカル「NO.6」稽古の様子。(他18件) 脚本・演出・音楽を浅井さやか、ステージング・振付を當間里美が手がける本作は、あさのあつこのディストピア小説「NO.6」(講談社)の初舞台化作品。劇中では、人類が作り上げた理想都市“NO.6”の高級住宅街・クロノスで育ったエリートの少年・紫苑と、矯正施設から脱走した犯罪者・ネズミの物語が展開する。 稽古場取材会で公開されたのは、今牧扮する紫苑と古田扮するネズミが初めて出会うシーンと、熊谷彩春扮する紫苑の幼なじみ・沙布、入絵加奈子扮する紫苑の母・火藍による歌唱シーン、そしてオールキャストによるオープニング曲の歌唱シーン。紫苑とネズミが出会う場面では、アンサンブルキャストが吹き荒ぶ雨と風をしなやかなダンスで表現し、街の情景を浮かび上がらせる。今牧は柔らかな表情と声色で、紫苑をマイペースで心優しいキャラクターとして立ち上げ、古田はキリッとした表情とクールな立ち居振る舞いで、頭脳明晰なネズミを好演した。 熊谷は少々緊張した面持ちを浮かべながらも、数々のグランドミュージカルに出演してきた入絵と共に、沙布と火藍が紫苑に向ける慈愛を、歌声に乗せて客席へ届ける。オープニング曲の歌唱シーンでは、イヌカシ役の日暮誠志朗、楊眠役の泰江和明、白衣の男役の藤原祐規、力河役の吉野圭吾らを交えたオールキャストが、希望を捨てず困難に立ち向かう「NO.6」の登場人物たちの思いを力強く歌い上げた。 その後行われた取材会には、今牧、古田らメインキャスト8名が出席した。まず今牧が「紫苑はつかみどころがないキャラクターなので、紫苑の魅力をどのように表現するか、絶賛模索中です。お客様が前のめりになって観ていただけるような作品にできるようがんばります!」と元気いっぱいにあいさつ。これを受け、古田が「前のめりで観劇すると周りのお客様に迷惑がかかってしまうかもしれないので、“心を前のめりに”して観ていただけたら!」と補足すると、キャスト陣から自然と笑みがこぼれる。続けて古田は「重いテーマの作品ではあるのですが、最終的には『楽しかったな』と思っていただけるような作品にしたいです」と意気込みを述べた。 小学生の頃に原作を読んだ経験があるという熊谷は「『NO.6』は大人になってから読んでも胸に刺さる作品。まさかミュージカル版に出演させていただけるとは思っていなかったので、出演が決まったとき、すごくうれしかったです」とコメント。日暮は「イヌカシが、紫苑とネズミを力河のところに連れて行く場面が特に好き」、泰江は「作品に込められたメッセージを楊眠が代弁するようなシーンがあるので、そこに注目していただければ」とそれぞれ見どころを明かす。 また藤原は「白衣の男という、ものすごーく嫌な役をやらせていただきます(笑)。思う存分、皆さんに嫌ってもらえるようにがんばります!」とユーモアたっぷりにあいさつし、入絵は「自分の手の届かないところへ行ってしまった息子を信じ続ける、母の強さや愛を伝えられたらと思います」とニコリ。吉野は「『NO.6』は人間臭さがにじみ出た作品。けっこうヘビーなシーンがあるんですが、その中で甘めのスパイスのような存在になれたら。いや、スパイスというよりふりかけかな?(笑)」とおどけてみせ、キャスト陣の笑いを誘った。 ミュージカル「NO.6」の公演は、11月8日から17日まで東京・天王洲 銀河劇場、22日から24日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。 ■ ミュージカル「NO.6」 2024年11月8日(金)~2024年11月17日(日) 東京都 天王洲 銀河劇場 2024年11月22日(金)~2024年11月24日(日) 大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ □ スタッフ 原作:あさのあつこ「NO.6」(講談社) 脚本・演出・音楽:浅井さやか ステージング・振付:當間里美 □ 出演 紫苑:今牧輝琉 ネズミ:古田一紀 沙布:熊谷彩春 イヌカシ:日暮誠志朗 楊眠:泰江和明 白衣の男:藤原祐規 火藍:入絵加奈子 力河:吉野圭吾 アンサンブル 元榮菜摘 / 山崎感音 / 池田航汰 / 石野滉貴 / 田代明 / 松島朱里 / 村田一紗 / 山川大智 ※山崎感音の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。 (c)あさのあつこ・講談社/ミュージカル「NO.6」製作委員会