トランプが「グリーンランド支配」に再び意欲、パナマ運河掌握も
ドナルド・トランプ次期米大統領は12月22日、米国は国家安全保障上の理由からグリーンランドの支配権を持つべきだと語った。彼はまた、パナマ運河を武力で掌握する可能性を示唆した。 トランプは、トゥルース・ソーシャルの投稿で、グリーンランドを所有するデンマークの次期米国大使にペイパル共同創業者のケン・ハワリーを指名したと発表し、「世界の自由と国家安全保障のため、米国はグリーンランドの所有と支配が絶対に必要だと感じている」と語った。 デンマーク政府は、トランプのこの発言に反応を示していないが、ハワリーは「コペンハーゲンの米国大使館とグリーンランド最大都市のヌークにある米国領事館のチームと協力し、両国の絆を深めることを楽しみにしている」と語った。 一方、トランプは、22日にフェニックスで開催された保守系団体のターニング・ポイント・アクションのイベントで、パナマ政府がパナマ運河を通過する船舶に課す通航料が高すぎると不満を示し、米国がボッタクリ被害に遭っていると主張した。 パナマ運河は、1977年まで米国の管理下にあったが、その後パナマに引き渡された。しかしトランプは、パナマ政府が「道徳的かつ法的な義務」を果たさなければ、「パナマ運河を完全かつ迅速に、疑問の余地なく返還させる」と主張した。 これに対し、パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領は動画メッセージで「パナマ運河とその周辺のすべての領域はパナマのものであり、これからもそうであり続ける」と述べ、この提案を一蹴した。 トランプは、「それはどうかな」とこの発言に反論し、パナマ運河にアメリカ国旗が掲げられた写真に「米国運河へようこそ!」というテキストを添えて投稿した。彼は、週末の投稿でジミー・カーター元大統領が任期中に「たった1ドル」で運河をパナマに「愚かにも譲渡した」と揶揄し、パナマ政府が中国に運河の管理を許していると非難していた。 トランプは、1期目の政権においてもデンマーク政府からグリーンランドを購入する構想を推し進めていた。2019年のウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると彼は、グリーンランドの天然資源や地政学的重要性に強い関心を示していたという。 しかし、トランプのその思いはデンマーク当局に拒絶され、同国の元首相で現外相のラース・ロッケ・ラスムセンは、ツイッター(現X)に「エイプリルフールの冗談のようなものだが、完全に季節外れだ」と投稿していた。
Siladitya Ray