<対談>ロッテ・荻野貴司×角中勝也 マリーンズが誇るベテラン打者コンビ マリーンズの人気の理由を考えよう【前編】
──マリーンズは昨年、観客動員数の球団記録を達成。平日のナイターでもガラガラということはなくなりました。それについてはどう思いますか。 荻野 昔は、平日ナイターの試合前は「今日は大丈夫かな」というのがありましたけど、コロナ明けのここ2年くらいは結構埋まっているなと思うことが多くなりましたね。 角中 僕も実感しています。やっぱりお客さんが多いほうがみんなのモチベーションになりますし、自分としてもうれしいですね。 荻野 うん、うれしいよね。
SNSを早くから活用している
──ホームとビジターでは気分に差はありますか。 荻野 それぞれの良いところがありますね。ビジターはビジターで、狭い範囲から大きな声援をくれる頼もしさを感じられるので。 角中 そうですね。ビジターの球場では、人数は(ホームチームのファンと比べて)少ないのに、よくこれだけ声が出るなと思いますよ。 荻野 人数の多さもそうですけど、まとまり。一体感がすごいと思います。いつ練習しているんだろうと。レフトを守っているときに後ろに味方ファンがいるのは心強さがありますね。 ──ロッテは不人気チームだと言われた時代がありましたが、今は人気チームになりましたよね。 角中 いや、自分が入ったとき(2007年入団)は西岡(西岡剛、現北九州下関フェニックス総監督)さんや今江(今江敏晃、現楽天監督)さんもいたし、すでにかなり人気があったと思いますよ。昔、珍プレー好プレーの番組で見たような川崎球場の映像みたいな、そういう感じではなかったです。自分は今年で18年目ですけど入ったときから「ロッテの応援」というのは結構有名だったので、「これがロッテの応援か」と思いながら聞いていましたね。 荻野 僕が入ったとき(10年)もそうでしたけど、そのころと比べて変わったと思うのは、さっきも言いましたけど平日ナイターの試合のお客さんの入りですね。 ──試合前やイニング間のイベントなど、集客のための企画も増えましたね。 角中 うん。 荻野 それも実感しています。 角中 あと、昔と比べるとSNSが充実してきて、チームの情報を発信することがファンサービスにつながっているところもあるんじゃないですか。本格的に始めたのは、ロッテは早いほうだったと思いますよ。 荻野 そうだね。おそらく、12球団の中でも早いほうだった。 角中 そういうのも大きいのではないですか。僕自身、ほかのスポーツのSNSを見て、このスポーツを観戦しに行きたいと思うことがありますから。マリーンズがそこに力を入れるのは正解だと思います。僕も、個人的にやっています(インスタグラム @kaku613)。そんなに頻繁に更新するわけではないですが。まあ、僕のところを見に来る人はもともと野球に興味がある人だけだと思うので、ファンサービスのつもりでやっています。 荻野 僕は昔、個人的にやっていたんですけど、今はやっていないです。 <後編に続く> 取材・構成=落合修一 写真=阿部卓功
週刊ベースボール