負傷者続出の背景にはさまざまな理由が潜んでいる
エヴァートン、フラム、マンチェスター・シティ、ウェストハム、ウォルヴァーハンプトンの6チームは、最終盤までにベストメンバーが揃う公算が大きくなってきた。
アーセナルも同様だ。右膝前十字靭帯損傷で全休だったユリアン・ティンベルが快方に向かっている。早ければ3月31日開催予定のシティ戦で復帰、とも伝えられはじめた。右からティンベル、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、冨安健洋。プレミアリーグ屈指の最終ラインが誕生する。
一方、ブレントフォードはベン・ミーが26節のウェストハム戦で左足首に深手を負った。最終ラインの要が “シーズンアウト”とは、ダメージが大きすぎる。
また、アストンヴィラは昨年8月から欠場しているタイロン・ミングス、エミリアーノ・ブエンディアに加え、ブバカール・カマラまでもが故障者リストに名を連ねた。プレミアリーグの4位以内とヨーロッパ・カンファレンスリーグ優勝を狙うミッドランズの古豪は、ひとりでも多くの強者を欲しているのだが……。
ちなみに『BBC SPORT』によると、プレミアリーグ最多のダメージはニューカッスルが受けていた(3月3日現在)。負傷例は29回に達し、選手が戦線を離脱した日数は実に1333日にも及ぶという。
さらに、ブレントフォードが20回・1159日、ブライトンは28回・1093日、チェルシーが27回・1091日、シェフィールド・ユナイテッドが23回・1081日と、計5チームの被害は甚大だ。
ルーク・ショーとリサンドロ・マルティネスが欠場中のマンチェスター・ユナイテッドも979日。3月中には1000日を間違いなく超える。
「エリク・テンハフ監督は、休養がベストと考えられるタイミングでも強度の高いトレーニングを選手たちに科している。緊張状態が続くと心身ともに疲弊する。オンとオフを使い分けた方がいい」
現役当時はイングランド代表のエースとして活躍し、引退後はフットボール関連番組のMCとして人気を博すギャリー・リネカーの発言がやけに気になる。ユナイテッドの共同オーナーに就任したジム・ラトクリフ卿の周辺からも、「練習内容は再考に値する」との指摘が聞こえてきた。