日本人初 IOC会長選挙に立候補した「渡辺守成さん」とは 選手実績なくサラリーマンとして新体操普及に尽力 今の拠点はスイス
1881年に設立された国際体操連盟。オリンピック実施競技の中で、最も長い歴史を持ちます。 2017年、渡辺さんはアジア人で初めて会長に就任しました。現在、国際競技団体で会長を務める日本人は、渡辺さんただ一人です。 渡辺さんは、国際体操連盟会長にして、日本人では3人しかいないIOC委員。 この日、渡辺さんを待っていたのは、ウクライナ出身のIOC委員、セルゲイ・ブブカさん。かつて「鳥人」と呼ばれた、棒高跳びの元世界記録保持者です。 IOC委員 セルゲイ・ブブカさん「とても素晴らしい夜をありがとうございました。良い話が出来ました。また多大なサポートを、特に私たちウクライナとウクライナ体育協会に対して示してくれて感謝しています」 ■選手実績はなし 大学で「新体操」に出会いサラリーマンの立場で普及に尽力 渡辺さんの生まれは、北九州市。高校時代、部員わずか5人の体操部で、競技を始めました。 東海大学に進学すると、学費がタダという理由で、交換留学でブルガリアに。そこで新体操という競技に出会ったのです。 当時の日本では、まだ新体操の認知度も低かった中、その魅力を広めるため、渡辺さんが目を付けたのが、小売業。人が集まる小売業の力を使えば、新体操人気を高められると考えたのです。 国際体操連盟会長・IOC委員 渡辺守成さん「コーポレートスポーツっていうのは、どちらかというと、『川上』のメーカーとかがやるんだけど、新体操をもっと知ってもらわきゃいけないってなると、『川上』よりも『川下』、要するに人々が多く集まるところ、消費が一番近いところ、それがどこなのかって言ったらスーパーマーケット」 この考えに賛同してくれたジャスコへ就職。スポーツ事業部のサラリーマンとして、新体操教室の事業展開に携わることとなります。 入社して10年、世界新体操クラブ選手権の開催に漕ぎつけました。大会は、今回で26回目を迎えます。 選手としての実績がないにも関わらず、大きな功績を残していることについて体操界のレジェンド・内村航平さんは、こう語っています。
内村航平さん「まさか日本人がFIG(国際体操連盟)の会長になるなんて思ってもいなかったんで、体操で世界一になるより、同じくらい難しいことだと思うので、僕は」
RKB毎日放送