日向坂46と日本武道館の深い関係 けやき坂46時代からの“原点”となる舞台に四期生が立つ意味
日本武道館はけやき坂46の“原点”
日本武道館3DAYS公演の前年までに行われた『ひらがな全国ツアー2017』では会場となるライブハウスという環境をそのまま活かしたシンプルな演出で、いわばパフォーマンスのみを届けてきたが、日本武道館公演では「サーカス」をテーマに、日本武道館の広大なステージをサーカス小屋に見立てて、ストーリー性のある演出を取り入れる初の試みが行われた。ステージの上段と下段を使った演出が光った「語るなら未来を…」やピエロや大道芸のパフォーマーとダンサーが登場し、一期生全員で披露した長濱ねるのソロ曲「100年待てば」は、日本武道館ならではの一体感を生んでいたし、ライブを楽しむという日向坂46の“ハッピーオーラ”にもつながるパフォーマンスの原点を感じとることができたのも、振り返ればこの公演だったように思う。 そして、2018年12月10日には日本武道館にて、欅坂46二期生+けやき坂46三期生合同の『お見立て会』、翌日11日から13日の3日間にかけては日本武道館にて『ひらがなくりすます2018』を開催。『ひらがな全国ツアー2017』では一期生と二期生のみの参加だったため、三期生(上村ひなの)を合わせた全員が参加するのは『ひらがなくりすます2018』だった。のちに『ひなくり』として続いていく『ひらがなくりすます2018』は、プレゼントボックスの中からメンバーが飛び出してくるという演出や巨大なクリスマスツリーをバックにパフォーマンスするなど、クリスマスらしいライブでけやき坂46の集大成を見せた。1年間で7日間日本武道館でパフォーマンスしたことは現在も語り継がれている。 そこから約5年半、日向坂46に改名してからは一度も日本武道館のステージに立つことはなかった。日向坂46にとっての聖地が横浜スタジアムなのであれば、日本武道館はけやき坂46時代の喜びや悔しさ、葛藤が入り混じった原点とも言える。未来を背負う四期生が、先輩たちが立ってきた日本武道館のステージで過去を受け入れ、未来を更新していく、その役割を四期生が任されたことは、日向坂46として新たな一歩を踏み出していくという大きな意味を持っているはずだ。 実に約5年半ぶりに日本武道館の舞台に立つ日向坂46。四期生にとっては『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』以来の単独公演であり、9月7日と8日に控えた『ひなたフェス2024』に向けた前哨戦という意味合いがあるとも言える。先輩たちが歴史を作り上げてきた日本武道館で、四期生はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。今年の夏は日向坂46が伝説を作っていく。
川崎龍也