異なる文化や要素の融合として新しい味が注目を集める「新中式コーヒー」
【東方新報】暑い夏の中、中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の西湖畔にある胡慶余堂国薬号カフェが人気を集めている。上海市から訪れた2000年代生まれの大学生、小唐(Xiao Tang)さんは夏休みを利用して訪れ、「インターネットで見かけたが、実際に見ると印象が全く違い、コーヒーに対する認識が変わった」と感嘆している。 香菜(パクチー)アメリカーノ、藤椒(山椒の一種)ラテ、黒トリュフラテ……異なる文化や要素を取り入れた「新中式コーヒー」が静かにブームになっており、杭州では特徴的なコーヒーショップが続々と誕生して、新たなネットの人気スポットとなっている。 杭州西湖畔の「夢記咖啡」で初めて香菜アメリカーノを試した方(Fang)さんは、「意外と爽やかな味わいでした。25元(約508円)で新しい体験ができて、とても価値があると感じました」と話している。 同店の責任者は「すべての『珍奇コーヒー』は、元の風味と新しい味のバランスをとるために慎重に調整されている。例えば、『苦くないゴーヤ』スムージーのゴーヤは、中心部分を取り除く必要がある。藤椒ラテは、甘さでしびれの感覚を覆うために配合を調整している」と説明する。 近年、中国のコーヒー市場は急速に成長しており、ブランドコーヒーショップの数は約5万店舗に達している。「2024中国都市コーヒー発展報告」は、2024年の中国コーヒー産業の規模が3133億元(約6兆3665億円)に達し、過去3年間の年平均成長率が17.14パーセントになると予測している。 このコーヒーブームに乗り、杭州の多くの老舗企業は次々と新たな取り組みを行い、クロスオーバーコラボでコーヒーシリーズ製品を展開している。例えば、胡慶余堂は「如意人参カフェ」をオープンし、方回春堂は八角杯コーヒーと提携して膏方(さまざまな生薬が煮詰められてペースト状になった中医薬)養生シリーズコーヒーを発売し、ファッショナブルな健康維持の新しい方法を提供している。 「如意人参カフェ」では、陳皮(ちんぴ)とあずきのラテやニンジンラテなどの中医薬コーヒーや、季節限定の漢方茶飲料が若者に人気だ。 スタッフによれば、コーヒーに使われる薬材はすべて薬局から直接取り寄せており、甘味料も薬局で煮詰めたあずき液や陳皮(ちんぴ)液を使用しているため、糖分を控えたい多くの顧客のニーズに応えている。 「確かに飲んでいるのはコーヒーだけど、どこか古風な感じがする」と消費者の小張(Xiao Zhang)さんは感じている。カフェ店内には、レトロな薬棚や「薬局」の看板と、現代的なコーヒーマシンが融合し、「中国と西洋融合」の独特な雰囲気が漂っている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。