境内に捨てられた子ネコ4匹の保護から300匹を里親につないだ“猫寺” 全長7メートル石仏の膝にもネコ【福井】
福井・越前市に20匹のネコたちが暮らす禅寺がある。SNSで人気が高まり、全国、あるいは海外からも参拝客が絶えない。境内では、膝にネコを乗せた大仏も参拝客を出迎える。 【画像】毛足長めのモフモフにハチワレなど…見た目も性格も様々なネコたち
捨てネコの保護がきっかけ
“ネコ寺”として知られているのは福井・越前市の「御誕生寺(ごたんじょうじ)」。北陸自動車道・武生ICから10分ほど南へ車を走らせ、山道を上った先にある曹洞宗の禅寺だ。 境内にはあちらこちらにネコの姿が。ベンチにごろんと横になったり、参拝客の車のボンネットの上でくつろいだり…思い思いに過ごしている。 寺とネコの縁は、先代の住職が、段ボールに入って捨てられている4匹の子ネコを境内で見つけ、世話をするようになったのがきっかけ。その後も野良ネコや捨てネコを保護して避妊・去勢手術をし、多い時で約80匹が暮らしていた。その様子をSNSなどで発信すると、全国から参拝者が訪れるようになった。 香港からきたという女性は「この辺りに観光に来て、石仏とネコを見に来た。ここはとても落ち着く」と話す。
石仏の膝にもネコが…
粛然とした雰囲気に包まれる御誕生寺。大本山永平寺と並ぶ中心寺院である總持寺を開山した、瑩山禅師が生まれたのが、現在の越前市とされている。 この場所に全国から集まった修行僧の「専門僧堂」として、2009年に本堂が建立された。 本堂の前には、全長7メートルの石仏が安置されている。右膝には目を閉じてくつろぐネコ、左肩にはじゃれつくネコ。ネコが一緒に掘られた石仏は、全国唯一だという。
ごはんタイムも見学できる
午後3時半。ネコたちが集まってきて、なにやらソワソワし始めた。修行僧の1人が金属製のボウルを手に出てきた。お待ちかねの“ごはんタイム”だ。 午前8時と午後3時半の1日2回のごはんタイムは、参拝者も見ることができる。 雨どいのような長い容器にエサが入れられると、1列に並んでわき目もふらずに食べるネコたち。訪れた人たちは、目を細めながらその様子に見入っていた。 御誕生寺では年に数回、ネコの譲渡会を開いていて、これまでに約300匹のネコたちが里親の元に引き取られた。最終的には、保護ネコがゼロになることを目指して活動を続けている。
福井テレビ