都会の人ほど戸惑うあのシステム……運賃後払いするバスの整理券が愛おしすぎる!!
■きっかけはワンマンバス
整理券方式はバス会社を問わず全国ほぼ同じ要領であるため、覚えておくと旅先などで困らなくなって便利だ。 しかし全国的な浸透度が高いのもあり、いつ頃できた運賃収受システムなの?というところも少々気になる。 戦前とか、そこまで大昔から存在していた仕組みではなさそう……何も調べない段階でそんな仮説が思い浮かぶ。 と、いうのも、昔のバスには車掌さんが乗っていて切符を手売りしていたため、わざわざ整理券を用意する必要がなかったと考えられるからだ。 裏を取るべく国会図書館が所蔵している文献を漁ってみると概ね仮説通りのようで、1967年発行の文献を皮切りに整理券方式の記述が目立ち始める。 ちょうどこの時代、全国的にバス会社の合理化が進められており、コスト削減に加え、なり手不足が深刻化していた車掌さんの乗務を廃止して、ツーマンからワンマン運転へと切り替える動きが加速していた。 ワンマン運転となると、従来通り切符を手売りするには時間がかかりすぎてしまう……そこで考え出されたのが運賃後払いの整理券方式だった。 整理券方式は合理化から来るワンマンバスの副産物、と言えそう。ただし、切符を売る代わりに整理券を手渡しするところまで車掌さんが担っていたツーマン運転のバスも、ツーマンからワンマンへの転換期に一部あったらしい。
■整理券レスの時代
1960年代の後半に爆発的普及を見せ今日へと至る整理券方式のバス。お作法そのものは今も昔もあまり変わっていないと思われるが、最近はバスも支払い方法が選べるようになり、それによって整理券の扱い方が変わるケースも。 まず、運賃を現金で支払う時、たまにある始発バス停では発券されない「券なし」以外では、今も整理券を必ず取らないと後で面倒なことになってしまう。 バス会社によっては、現金のほか交通系ICカードやタッチ決済に対応しているところがあり、それらで乗る場合、車内のカードリーダーにタッチすると、手持ちのカードのICチップに整理券情報がデジタル化して記録されるので、紙の整理券は原則不要だ。 また、運賃の支払いをQRコード(○○Pay系)で行えるバス会社も一部に存在する。ICカードと異なりQR払いには整理券情報を記録する機能がないため、こちらは現金払いと同様に整理券が必須になる。