時差式信号は事故を呼ぶ?黄色への変わり目でヒヤリ、「紛らわしくて危険」の声も
「紛らわしくて危険だと思います」。対面交通の道路で主に右折車が多い方の青信号表示時間を延長する「時差式信号機」について、長野市の40代女性が本紙「声のチカラ」(コエチカ)に声を寄せた。時差式信号機にはそれと分かる標示板が設置されているものの、どちらの青信号表示が延長されているか分からない。女性が日頃から「ひやっとする」という現場を訪ねた。(和田友介) 【図で解説】「時差式信号」の仕組みと事故が起きる可能性のある状況
女性が危険を感じると訴える時差式信号機があるのは、長野市篠ノ井会の県道77号にある「篠ノ井駅入口交差点」だ。長野市と千曲市を結び、通勤時間帯や休日は渋滞することもある。 この交差点では、千曲市方面から来る車の青信号表示時間が延長されている。対向の長野市川中島町方面からの信号機が先に赤信号に切り替わるため、その間に同市松代方向にスムーズに右折できる仕組みだ。 だが、川中島町方面から来る車が篠ノ井駅方向に右折する際は事故が起きやすい状況が生まれる。右折車からすると信号機が黄色に切り替わるタイミングで「対向車側も黄色だろう」と思ってしまう。一方、千曲市方面から来る車は青信号のため、対向に右折待ちの車があっても速度を落とさずに直進する場合が多い。このため右折車と直進車が衝突する「右直事故」を招きやすい。
昨年11月下旬、記者は同交差点で車の動きを観察した。通勤時間帯は通行に慣れた運転者が多い印象で、危険を感じる場面には出合わなかった。ただ、川中島町方面からの車の中には黄色信号への変わり目で急いで右折する車が目についた。千曲市方面からかなりの速度で交差点に入る車もあって、タイミングによっては事故が起きると感じた。 長野南署によると、この交差点では過去5年間で少なくとも12件の右直事故が発生。うち2件は人身事故だった。コエチカに情報を寄せた女性も右直事故を目撃したことがあり、自身も運転中に右折車とぶつかりかけたことがあるとしている。