6年の時間の旅を経てアリス再び 辣腕プロデューサーが語るヒット誕生の秘密
ハリウッドのヒットメーカーであるスザンヌ・トッド、プロデューサーが映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』をひっさげて来日した。彼女がこれまで手掛けた作品の世界興収は20億ドル以上という敏腕プロデューサー。そんなスザンヌに本作の魅力や、ヒット作を生み出す秘訣、そして映画界におけるアジア市場の重要性などを聞いた。
ヒットの秘訣は作品に対する熱意!
2010年にジョニー・デップ主演で公開された『アリス・イン・ワンダーランド』は、世界興収10億ドルを超え、日本でも118億円という大ヒットを記録。その年の映画興行収入ランキングのトップに輝いた。あれから6年、ついに続編が公開される。「これだけ続編に時間が掛かってしまったのは、みんなが納得できるテーマを見つけることにこだわったから。それが“時間”なんです。タイムというキャラクターを登場させ、抽象的な“時間”というものの大切さを伝えるストーリーを作ったんです」。 徹底的にこだわったテーマ、脚本、ビジュアルエフェクト……。まさに6年という“時間”を費やし丁寧に積み上げていった作品。その原動力とは──。 「陳腐に聞こえるかもしれませんが、自分が観たいと思うもの作りたいという情熱」とスザンヌはシンプルな回答をする。本シリーズをはじめ、これまで手掛けた映画は世界興収20億ドルを突破し、ハリウッド有数のヒットメーカーであるばかりか、ゲームソフトなどのプロデュースまで務めるほどマルチな才能を発揮している。当然のことながら、市場を分析する目や、緻密な戦略は言うまでもないが、最後によりどころになってくるのは熱意だという。 「これまで喜劇性の高い『オースティン・パワーズ』シリーズ、ドラマ性の高い『メメント』、そして今回のような哲学的な『アリス・イン・ワンダーランド』など手掛けた作品はバラエティーに富んでいますが、どれも自分自身の心に響き、映像にして観てみたいと思った題材なんです。映画作りって本当に大変で、『時間の旅』でも2000以上ものビジュアルエフェクトが入っているんです。本当に“やりたい”という熱意がなければ続けられないんです。もしそれがなければ、もっと楽な仕事に転職しますよ(笑)」