福島民報スポーツ大賞特別賞 橋本選手(福島県三春町)に授与 パリ・パラ車いすラグビー「金」
パリ・パラリンピック車いすラグビーで日本代表として初の金メダルを獲得した橋本勝也選手(22)=日興アセットマネジメント、福島県三春町=への福島民報スポーツ大賞特別賞の贈呈式は21日、福島市の民報ビルで行われた。 福島民報社の芳見弘一社長が表彰状を手渡し、「県民に勇気と元気を与えてくれる活躍だった。古里の三春町で行われたパレードでの町民の笑顔も印象的だった。新たな夢に向かって頑張ってください」とたたえた。橋本選手は「世界一になるために取り組んできた。積み上げてきたものを発揮できて良かった」と述べた。 橋本選手は生まれつき両手足に障害があり、三春中2年時に競技を始めた。東北地方が拠点のクラブチーム「東北ストーマーズ」に加入。田村高1年だった2018(平成30)年に、16歳で初めて日本代表に選ばれた。2021(令和3)年の東京パラリンピックには19歳で代表入りし、銅メダル獲得に貢献した。同年に福島民報スポーツ大賞を受賞した。パリ大会は全5試合でチーム最多の計79得点を挙げ、若手のエースとして大活躍した。
橋本選手には、県民栄誉賞、三春町民栄誉賞が贈られることも決まっている。 ■橋本選手にスポーツ大賞・一問一答「世界一の選手目指す」 「世界一の選手になる」 橋本選手は表彰に合わせた取材に対し、「世界一の選手になる」と今後の目標を誓った。 ―福島民報スポーツ大賞を2回、受賞する初のケースとなった。 「東京大会の銅メダルの時も皆さんに喜んでもらえたが、今回の金メダルはさらに反応が大きい。より多くの人に喜んでいただいて驚いている」 ―パリ大会に向けて意識してきたことは。 「東京大会の悔しさを出発点に、どうしたら勝てるか、どうしたらスピードが出せるかを逆算して考えるようにした。メジャーリーグで活躍する大谷選手で知られる『目標達成シート』を使い、具体的な目標、達成のため必要な練習、方法を書き込み、実践した」 ―オーストラリアとの準決勝を振り返って。 「パラでは毎回、準決勝の壁にはね返されてきた。前夜は眠れないほど緊張していたが、最高の準備をした自負はあった。最高の試合をすることができた」
―多くの県民が応援していた。 「日本時間で深夜の試合にもかかわらず、多くの方々が応援してくれたと聞いた。おかげでプレッシャーをはねのけられた。三春町でのパレードにも多くの人に詰め掛けていただき、多くの人に支えられていることを実感した」 ―今後の目標は。 「ベテランに負けないように自分たち若手が力をつけ、より強いチームを築き上げる。将来は主将を担える存在を目指す。個人としてもさらに練習に励み、世界選手権でMVPに選ばれる選手になりたい」