刻むか狙うか 古江彩佳の駆け引き「イーグルを獲らなきゃいけない最終日なら…」
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 3日目(17日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72) 連日大量アップ!「スコットランド女子オープン」画像集 最終18番はフォローの風が吹くパー5。前の組のプレーが終わるまで待って2オンを狙う選手もいる中、1Wショットをフェアウェイ右サイドに置いた古江彩佳は早々にレイアップをして3打目勝負を選んだ。 セカンドの残りは約220yd。風を考えれば、7Wで手前を横切るクリーク(小川)を越えてグリーンに届く計算もしていた。ただ、古江が強く警戒していたのは、手前以外のミス。右に曲げればやはりクリークがあり、運よく避けられても劣悪なライから砲台グリーンへの難しい寄せが残る。また、いい当たりでグリーンにキャリーすると、3打目を打ちにくい状況で奥のバンカーに突っ込む恐れもあった。
「最終日でイーグルを獲らなきゃいけない場面だったら、行っているかもしれないですけど…」。3打目のウェッジショットをピンに絡められず、パーでの締めくくりとなったことは悔しい。ただ、リスクとリターンを天秤にかけた末のジャッジは冷静にできたとうなずく。 首位との6打差を追い、いきなり2連続バーディで飛び出したこの日は「69」をマーク。風の中でも安定しているショットに加え、7番では7m近いパーパットをねじ込むなど、前日36パットを要したグリーン上も合計29パットでまとめた。
「パターの感覚も良くて、いいリズムでプレーできた」だけに、終盤のチャンスでたたみかけてトップに迫っておきたかった思いもある。14番(パー5)以降、バーディの17番を除いてラインに乗ったボールがカップを目の前にして止まるシーンの連続だったことへの反省は忘れない。
メジャー初制覇を遂げた「アムンディ エビアン選手権」以来、5週ぶりの出場は通算5アンダーで7打差8位につけて最終日を迎える。「しっかり集中して、うまく風と“お友達”になって、ひとつでも上を目指して頑張っていけたら」。米ツアー初勝利だった2022年大会は最終日に「62」と猛チャージを見せて4打差を逆転した。エビアンも最終日の上がり5ホールで3連続バーディからひとつパーを挟み、劇的なイーグルフィニッシュで勝ち切った。ハマった時の爆発力は、フィールドの誰にも負けていない。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)