大学入試は「2月1日から」遵守を…文科省通知、東洋大と大東文化大の学力試験前倒し認めず
文部科学省は24日、大学入試の実施要項で「2月1日から」と定めた学力試験の期日を順守するよう全国の大学に通知した。東洋大(東京)と大東文化大(同)が今年導入した新方式の学校推薦型選抜では11~12月に学力試験を実施したが、文科省は学力試験の前倒しを容認しない姿勢を示した。
学校推薦型選抜は面接や書類審査などで、受験生の意欲や適性など学力以外の要素を測るのが一般的だ。一方、東洋大と大東文化大の新方式では、面接や小論文などはなく、「基礎学力テスト」として英語と国語などの試験を課した。東洋大はこの選抜で約2万人の志願者を集めた。
学校推薦型選抜などで年内に学力試験を課す方法は、関西の私立大では1990年頃から取り入れられてきた。早く合格先を確保したい受験生側と、学力の高い学生を呼び込みたい大学側の思惑が一致した結果、受験生を早期に囲い込む手法として広がった。
通知では「生徒の安易な進路選択につながり、高校教育に大きな影響を及ぼす」という高校関係団体の見解を掲載した。文科省の担当者は「大学入試のルール無視の横行に歯止めをかける」としている。