東陽倉庫 来年、神奈川・愛知に新倉庫 黒田社長インタビュー 物流の包括的受託事業強化
総合物流業の東陽倉庫(本社名古屋市)の黒田城児社長(63)は中部経済新聞の取材に応じ、2025年に国内で物流倉庫を拡充する方針を明らかにした。神奈川県で物流拠点を増設するほか、知多市に建設中の物流倉庫を稼働する。荷主の物流業務を包括的に受託する事業「3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)」を強化する狙い。 関東圏での物流倉庫拡充として、神奈川県相模原市で延べ床面積約1万8150平方メートルの建物を増設する。主に食料や工業品の物流拠点として、25年4月ごろの開設を予定している。 また知多市に新設する倉庫は、知多浦浜工業団地内に取得した用地約1万9千平方メートルに建設している。鉄骨造り2階建ての普通倉庫や平屋建ての危険品倉庫、3階建ての事務所棟で構成し、延べ床面積は約2万平方メートル。名古屋港や中部空港、西三河への良好なアクセスを生かし、これまで手薄だった自動車部品の取り扱い拡大を狙う。投資額は50億円。25年5月に開設する計画だ。
同社は名古屋港を中心に、倉庫を約30カ所運営しているが、知多・三河地方での開設は初めて。自動車関連企業が集積する地域で、物流ニーズを取り込む。6月に就任した黒田社長は「知多地域には物流センターはあるが倉庫は初めてであり、荷主の利便性を高めたい」と意気込む。 3PL事業強化に当たっては昨年、小牧市に「インター2号倉庫C棟」を建設し、食品や日用品などの物流を担う拠点として活用している。1月には西日本で初となる営業拠点を兵庫県に開設した。全国配送のうち、西日本をカバーする拠点と位置付けている。 同社の24年3月期の連結売上高は約279億円。黒田社長は「3PL物流の推進と、東南アジアの拠点拡充などグローバル展開を強化したい」と強調した。