清原果耶が貫くと決めた現場主義「しんどいと思えるのも幸せなこと」
代名詞である涙の演技につて
──清原さんといえば、涙の演技です。自然に涙をこぼすさまに胸を打たれるのですが、いつもどんなことを考えて臨んでいるのでしょう。 やっぱり緊張します。みなさん、「どうなる?」という目で見てくれるから、上手くやらなきゃと肩に力が入って全然泣けないときもあるし。脱水症状にならないようにお水を飲んで、あとはもうできることをやるだけです。どう願っても出てこないときは、水分量の問題と思うしかない(笑)。そういう気持ちでいないと、緊張で何もできなくなっちゃうので。 ──涙を拭うとき、多くの女優さんは頬を拭うのですが、清原さんは顎のあたりを手の甲で拭う仕草が多い気がします。 そうなんですか。自分では気づいていないですけど、でも何かしら考えているんだとは思います。無自覚でやっているということはないかな。やっぱり拭き方で印象が変わるので、そのとき、その役に合った拭き方をしているんだとは思います。 ──あと、これも癖かもしれませんが、先ほどから考えるときによく上の方を見ながら、人差し指を立てる仕草をしているような……(笑)。 そうなんです(笑)。気をつけなきゃと思っているんですけど、なかなか直らないですね(笑)。 ──先日は、第31回読売演劇大賞 杉村春子賞と優秀女優賞を受賞されました。新たに舞台を経験し、お芝居との向き合い方について変化を感じる部分はありますか。 ここで深いことを言えたらいいんですけど(笑)。もう楽しいとしか思ってなくて。監督やスタッフさん、キャストの方との出会いもそうですけど、何より作品と役について考えている時間が私はすごく好きなんです。やっぱり現場がいちばん好きだし、楽しい。難しいこともあるけど、それも含めて楽しめると私は思っているから、これからもそこが変わらなければいいなと思います。 ──難しいことも楽しむにはどうしたらいいんでしょうか。 しんどいことも、味わいだと思うしかないですね。「しんど! もう無理!」となることももちろんありますけど、そう思えるのも幸せなことなので、そこに鈍感にならずに生きていきたいなと思います。 ──鈍感にならずに。 何も考えずに言われたことをただやるだけという選択肢もあるとは思うんです。もしかしたらそちらの方が楽かもしれない。でも、感情をぶん回して、「おりゃー!」って生きていく方が性に合ってるので(笑)。挑戦できることはして、しんどいことも意欲的に取り組めたらいいですね。 ──清原さんにとって、青春とはいつですか。 今になっちゃいます。本当は学生時代が青春な感じだと思うんですけど。12歳からこの仕事しているのもあって、そういうことをあまり多くは経験してこなかったので。こういう作品に出会うと、青春を体験させてもらっている気持ちになります。 ──この映画の撮影シーンの中で青春を感じた場面はありましたか。 ジミーとアミが言葉を教え合ってるシーンとか、青春だなと思って。きっと青春って、ああいう何気ない日常の1コマ1コマなんですよね。ちょっと時間が経ったら忘れちゃう、だけど間違いなく大切な日々。あんな時間を過ごせたジミーとアミがいいなと思いました。 ──プライベートではどうでしょう。青春を感じた瞬間は最近ありましたか。 去年友達とサファリパークに行ったんです。人生で初めてのサファリパークだったんですけど、とっても楽しくて。キリンにおやつをあげたり。ライオンのコースは窓を開けちゃダメで、静かに通り過ぎてくださいと書いてあったので、みんなで息を潜めながら「いる、いる」と言ったりして。ただただ楽しいひとときでしたが、今思えばああいう時間を青春と呼ぶんだなと気づきました。 ──では最後に。今回はリレーインタビューとなります。次にバトンを渡すシュー・グァンハンさんに向けて、清原さんから質問をお願いできますか。 きっとすごくお忙しくされていると思うんですけど、幸せを感じる瞬間はどんなときか聞いてみたいですね。 ──わかりました。ちなみに清原さんの幸せを感じる瞬間は? 掃除をしているときです。掃除が大好きで、掃除をしているとストレス発散になるんですよ。だから、掃除がしたいです! (リレーインタビュー第3弾シュー・グァンハンへ続く)