“運転手がいない” 深刻な人手不足に相次ぐバス路線廃止や減便 「運賃は上げにくいから給料も…でも命を預かる仕事」運転手の本音は バス業界と2024年問題
バス運転手 森本託実 さん 「拘束時間が長いですね。この仕事の特性上、やっぱり朝と夕方にお客さまが集中するので、その時間帯にいかに走らすかだと思うんですよ。会社的にも、バスの業界的にも」 通勤ラッシュにバスを運行するためには、出勤は早く、退勤は遅くなり、拘束時間が長くなります。 森本託実 さん 「どうしても運賃を上げにくいこともあり、その分、給料も上がらないというのもあるので。人の命を預かる仕事だし、そのリスクが常にあるので、その分、やっぱり給料をもう少し高くしてもらえたらなというのはありますね。言っちゃった(笑)。うちの会社だけじゃなくて、この業界の問題だと思います」 他業種からの転職や会社の移籍など、中途採用率が高いバス業界ですが、中国ジェイアールバスでは高校へのアプローチを強化しているといいます。 さらに、2022年の法改正でバスの運転に必要な大型二種免許の取得年齢が、19歳に引き下げられたことで、広島交通などでも高卒採用を強化しているということです。 森本さんも、高校を卒業してすぐ中国ジェイアールバスに就職。3年前に念願のバスの運転手になりました。 バス運転手 森本託実 さん 「3年乗っていますけど、まだ事故やぶつけたことは1回もないので、そこは経験がなくても、もし興味がある人がおるんだったらチャレンジしていただければと思います」 ■初任給の大幅アップ 各バス会社も人材確保へ採用を活発化 なんとか運転手を確保しようと、県内のほかのバス会社でも採用に向けた動きが活発化しています。 広島市の中心部を走る広島バス。通称「赤バス」です。 広島バス 労務課 宮森雄太 さん 「なかなか採用が厳しい状況で近年、かなり減少傾向にあります。昨年と比べたら10人以上は減っている状況です。今いる運転手の方に公休出勤、休日出勤をお願いして欠員をまかなっている状況です」 広島バスでは現在、20人程度運転手が不足しています。平均年齢は50歳を超え、運転手不足は今後も続く見込みです。そこで運転手を確保すべく、初任給を大幅に引き上げることにしました。広島バスでは、3月から初任給を3万4500円アップ。
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