<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>選手紹介/1 /三重
宇治山田商にとって16年ぶり2回目となるセンバツが、18日に開幕する。ベンチ入りが見込まれる選手20人の横顔を紹介する。【原諒馬】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち ◇肉体改造で制球力向上 田中燿太投手(2年) サイド気味のスリークオータから制球良く左右に投げ分けることができ、試合を締めくくる役割で起用されることが多い。センバツに向けて「力を入れすぎず、かつ考えすぎず。自分らしいプレーでチームに貢献したい」と意気込む。 松阪市の軟式野球チーム・松尾ブルーウィンズで、小学2年から野球を始めた。高校入学後は肉体改造に力を入れ、トレーニングと米を1日計6合の食事で、体重を10キロ増の82キロにした。これが制球力の向上につながり、エースを任された。 昨秋の東海大会準決勝・豊川(愛知)戦では六回に登板して5失点を許し、「自分の武器だと思っていた制球力が、緊張でうまく発揮できなかった」とくやしがる。「ピンチの時も抑えてくれる」との村田治樹監督の評価に応えるべく、精神力も向上させてセンバツの舞台に挑む。 ◇打撃・守備でチームの柱 小泉蒼葉捕手(1年) 昨秋の東海大会準決勝は、1点差を付けて迎えた九回表、左翼席に突き刺さる本塁打を放ち、強い印象を残した。サヨナラ負けはしたが「どんな場面でも思い切ってプレーできる」と自信をつけた。 守っては、身長183センチ、体重77キロの体を生かし扇の要。二塁送球は1・96秒。打っては4番で、秋の公式戦は計7打点。打撃・守備でチームの柱だ。 センバツが決まってからは全国レベルの投手を想定して打撃練習に励む。バッティングマシンで変化球の曲がり幅を大きくし、球速を140キロ超えに設定。「何が来ても打ち返したい」と前向きだ。 将来の夢は救急救命士。2学年上の兄凪璃(ながれ)さんも、昨夏の三重大会で4番・捕手で出場した。凪璃さんは「身長は既に抜かされた。野球もまだ伸びる」と成長を楽しみにする。=随時掲載 〔三重版〕