【オートレース】惜しくも優勝戦進出はならなかった森且行 最終日こそ期待に応える~山陽G1令和グランドCC4日目
本当に惜しかった。まさにあと一歩のところだった。最良の結末には届かなかったが、本人もファンも夢は見た― オートレーサーの森且行(50)=25期・川口=は13日、山口県山陽オートレース場で開催中のG1「開場59周年記念・第5回令和グランドチャンピオンカップ」4日目・第11R「準決勝戦」に出走。8車立ての5枠から切れ味鋭いスタートダッシュを駆使して、序盤から好位置へ。道中で勝った青山周平にはさばかれたが、終盤までしぶとく2番手を懸命に粘走した。このままゴール線を通過すれば、優勝戦進出が実現するところだったが、最終周回4コーナーで丹村飛竜(4着)がインに飛び込んで来て、そのあおりを受ける形でマシンはやや外に流されて、最後は3着ゴールとなった。 栄えあるファイナリストの座を手にすることはできなかったが、こん身の整備を継続してきた成果は、ついに如実に表れた。「いやあ、惜しかったなあ~。あ~っ、悔しいなあ~。最後に2番(2着の松尾彩)に差されちゃったね。でも、本当にスタートが切れているよね。もっと落ち着いて乗ることができていたらなとは思いますが、うん、上出来だよね!」 初日から3日目まで3戦を消化して3、6、5着。前日までは、正直なところ大仕事を成し遂げることができるだけの状態にはほど遠かった。しかし、森はあらゆる労力を注ぎに注いで、この土壇場で愛車Mニジュウサン号に活力を注入した。「今朝なんて7時起きだよ(苦笑い)。8時から下回り整備をして、クランクとロッドを交換しました。まだ乗りづらさは残っているんだけれど、手前からの接地感とかはすごく良くなってくれました。次(SGオールスター、24日から)もあるし、良くなってくれたのは大きいね!」 最後の攻防で森とせめぎ合った丹村が「森さん、最後の場面は迷惑を掛けてしまって本当に申し訳ありませんでした…」と低頭で謝罪にやって来ると、「ぜ~んぜん、問題なかったよ。だから気にしないでね!自分も最後はちゃんと曲がれていなかったからさ」と反省し切っている後輩を、やさしい表情と口調で逆に思いやっていた。普通ならぶ然として気を曲げてしまう場面だったかもしれないが、こういう時の森はとにかくジェントルマンであり、勝負を競う者の身だしなみが整いまくっている。すべてのレーサーの手本になる振る舞いだった。 最終日・14日は第11R「特別選抜戦」にエントリーする。「連対率も上げることができたし、最後まで頑張るよ。また、セッティングをやってみる。仕事をしないとね(充実した表情で」 そして、最後に森は言った。「優出はできなかったけれど、自分も頑張ったでしょう!」と。無骨な生きっぷりを存分に見せていただいて、ありがとうございました。
報知新聞社