不要な鍵盤ハーモニカを新品同様にして「生活に余裕のない子へ」 「学生時代の感謝」も込めてピカピカに
給排水管設備業の明和工業(飯田市)が、使われなくなった鍵盤ハーモニカなどの学習用具などを清掃・整備し、地元の小学校などに贈る活動を続けている。現在、鍵盤ハーモニカの在庫が100台ほどあり、生活に余裕のない家庭の子どもたちに贈ろうと希望者を募っている。 【写真】新品同様に生まれ変わった鍵盤ハーモニカ
同社専務の北原正裕さん(58)が発案し、2019年から絵の具や算数セットを贈り始めた。その後、消耗品の交換が容易で清掃もしやすい鍵盤ハーモニカの寄贈に力を入れており、飯田市教育委員会の協力を得て、中古品を家庭から譲り受けたり、県内外の個人から寄贈を受けたりしてきた。
除菌水製造も手がける同社の社員ら40人が、鍵盤ハーモニカの除菌のほか、使用者の氏名を消したり、シールを剥がしたりする作業を担当。20年以降、市内の小学校や個人に贈った鍵盤ハーモニカは約150台に上る。
同社技術部の塩沢沙菜さん(20)は、自分も学生時代に知り合いから制服などをよくもらったとし、「感謝の思いも込め、新品に見えるようにきれいにしている」。担当する同社役員の福沢健治さん(62)は「地域には外国の方など厳しい暮らしをしている方もいる。取り組みに協力してくれる企業の広がりにも期待したい」と話している。
鍵盤ハーモニカの寄贈などの相談は随時受け付けている。問い合わせは明和工業(電話0265・24・6677)へ。