福田雄一監督、純愛映画は「笑い」に関する“いらぬ忖度”への挑戦
長澤まさみ&山田孝之で贈る純愛ラブストーリー『50回目のファーストキス』。本作でメガホンをとったのは、数々のコメディ作品を手掛けた福田雄一監督だ。昨年公開された映画『銀魂』は、興収38億円超を記録し、2017年邦画実写作品のなかでナンバー1に輝いた。「福田監督=コメディ」と定着しているなか、挑んだ純度の高いラブストーリー。“お笑いしかやらない”と語っていた福田監督はなぜ、この題材を選んだのだろうか。 本作の情報解禁の際「“あの”福田雄一監督が泣けるラブストーリーに挑んだ」というフレーズが多く見受けられた。 確かに、福田監督と言えば、前述した『銀魂』のほか『HK 変態仮面』シリーズ、『女子ーズ』、『明烏』、『斉木楠雄のΨ難』などコメディ映画の監督を務め、ドラマでも「勇者ヨシヒコ」シリーズや、「アオイホノオ」、「スーパーサラリーマン左江内氏」など“笑い”にこだわった作品を世に出し続けてきた。
“笑いの質”の問題
福田監督自身も以前のインタビューで「映画、ドラマ、舞台、バラエティなどいろいろなジャンルに携わっていますが“笑い”しかやらない」と語っていた。 そんな福田監督が恋愛映画? というのはある意味で正しい反応かもしれない。 そのあたりをストレートに聞いてみると、 「発想はコメディを作ろうということで間違いない。僕は笑いじゃないものには手を出さないので。これまでと同じです」と即答する。その真意を問うと「“笑いの質”の問題です」とこちらも明確な答えが返ってきた。 続けて、「最近『勇者ヨシヒコ』をやって、そのあと『銀魂』をやりましたが、基本的には僕のなかでは、笑いのラインが同じなんです。笑いにこだわると言っても、同じものばかりをやっていてはダメという危機感もある。その意味では、(製作総指揮を務める)山田孝之くんから『やりませんか?』と言われて快諾したドラマの『聖☆おにいさん』も、以前僕がやっていた『THE3名様』の笑いができるかなと。いわゆるあの手のぬるっとした笑いをしばらくやっていなかったので、いい刺激になると思ったんです」と“笑いの質”について解説する。