Suchmos・YONCEの新バンドHedigan's、初EP『2000JPY』解説
今、チェックしておきたい音楽をゲーテ編集部が紹介。今回は、Hedigan’s(ヘディガンズ)の『2000JPY』。 【写真】Hedigan'sの初EP『2000JPY』
YONCE新バンドは唯一無二のサイケデリック・ロック
SchmosのYONCEこと河西“YONCE”洋介擁するニューバンド、Hedigan’sがいよいよ本格始動。2024年2月に行われた初の東名阪ツアーに合わせて1st EP『2000JPY』がリリースされた。 一聴して感じるのはSuchmos時代のクールでスタイリッシュなグルーヴとは一線を画すスローでブルージーなサウンド。独特の色気を持つYONCEの歌声を軸に、ギターやベースやキーボードが隙間ある空間で自由に絡み合う。 ゆったりした曲調に浮遊感ある歌声が響く「論理はロンリー」や、フォーキーなアコースティックギターに乗せて〈ああ俺が若い頃はあれもあったしこれもあった〉〈なあちゃんと新聞読んでるか? 経済情勢にアンテナ張ってるか?〉とユーモラスな節回しで歌う「説教くさいおっさんのルンバ」など、肩の力が抜けたムードが魅力だ。 バンドメンバーにはYONCEのほかにGliderの栗田将治(G)と栗田祐輔(Key )、ゆうらん船の本村拓磨(Ba)、大内岳(Dr)と癖と実力を兼ね備えた面々が集う。ダブの要素を前面に押しだし、サイケデリックな興奮を生みだすステージを見せるライヴパフォーマンスも強力だ。フジロックにも出演が決定している。唯一無二の個性に注目したい。 『2000JPY』 F.C.L.S. ¥2,000。2023年7月に結成された河西“YONCE”洋介らの新バンドHedigan’sによる初EP。ブルージーでサイケデリックな色合いが魅力。