パラ2大会銀の山本篤8位「いろいろな障害者が参加できる」パラアスリート多数参戦 日本障害者OPゴルフ
障害者ゴルファーNo.1を決める第29回日本障害者オープンゴルフ選手権は12日、福岡県の麻生飯塚GC(パー72)で最終ラウンドが行われた。計69選手が参加。36ホールストロークプレーで競うグランプリの部をはじめ、車イスの部など10部門が開催された。 パラリンピック陸上競技で北京、リオデジャネイロの男子走り幅跳び銀メダリストの山本篤(42)がグランプリの部に出場した。最終ラウンドは83で回り、通算23オーバーの8位フィニッシュ。「自分のゴルフの内容としてはまあまあという感じ。この大会はいろんな障害者が参加できるので凄く良いと思う」と振り返った。 パラリンピックに4大会連続で出場した山本は、高校2年春休みの交通事故で左脛骨を粉砕骨折し、大腿から切除。高校卒業後は義足作りを目指して進学するが、陸上競技選手としての挑戦を始めた。08年北京大会では走り幅跳びで銀を獲得し、日本の義足アスリートの初メダルとなった。 今年5月に引退を表明。ゴルフは大阪体育大時代から授業で親しんでおり、20年のコロナ禍で本格的に始めたという。現役時代から陸上の練習前に、ウォームアップを兼ねて60球打つのがルーティンだった。1Wの平均飛距離は約240ヤード。引退後のラウンド数は増えたというが、今もそのルーティンは変わっていない。 今の42歳のモチベーションはシンプル。「上手くなること」。やはり、アスリートとしての血が騒ぐ。そしてパラ陸上の第一人者だからこそ、思うことがある。「僕はリハビリとか社会活動の参加にはゴルフが1番だと思う。陸上だとどうしても(競技用の)義足を用意しないといけないけど、ゴルフは日常の義足でできる。年齢を重ねても上手くなれる余地があるのもいいと思う」と言った。 アルペンスキーで5大会連続パラリンピック出場を誇る三沢拓(37)は26位だった。20年からゴルフをはじめたが、本格的に練習を行ったのは競技の第一線から退いた22年以降だった。昨年にグランプリの部に初出場し、今年で2度目。「本当にゴルフは奥深い。いろんな障害の人たち集まって、これはゴルフですけど、競技をやるっていうのは素晴らしいと思う」と大会の意義を語った。 ▼日本障害者オープンゴルフ選手権 日本障害者ゴルフ協会(DGA)が主催し、1996年に第1回大会が開催された。今年で29回目。00年の第5回大会から海外選手が参加するようになり、米国、英国、韓国など例年、多くの国から障害者ゴルファーが参加する。今年は公式ハンデ15以下の障害者が出場してJGAルールで競う「グランプリの部」をはじめ、「下肢障害の部」、「車イスの部」、「女子の部」など10部門を開催。来年の第30回大会も福岡・麻生飯塚GCで行われる。