「ミルク論争」母乳と粉ミルクどっちがいい? 理系博士が母親になって感じた結果は…
こんなヘンテコなトラブルとまではいかなくて、一流スポーツ選手や学問に秀でた人たちにおいて、粉ミルクだった人たちのグループが才能がない人が多かった、というデータもありません。どちらにしても、大きくちゃんと成長しているのだと思います。 「粉ミルクだと子どもへの愛情が減るような気がする」というのは、親世代のセリフとしてときどき聞かれる話ですが、それも本当かどうかはよくわかりません。多めに抱っこしてあげたら、赤ちゃんとしては差を感じないのではないでしょうか。
自分が納得する方法がベスト
周りの状況に影響されず、自分の一番納得する方法で、授乳を行うのがよいと思います。 「母乳をあげるのが大変だったけど、頑張ってあげた」といったセリフを聞くと、自分ももっと頑張らなくてはいけないのではと不安になる方もいると思いますが、その頑張りは自己満足で「人は人、自分は自分」で割切った方が、精神的には楽じゃないかなと思います。 私の場合は、最初は免疫に必要だと思っていたので、母乳をあげていました。ただ、仕事をしていたので、保育園では粉ミルクをお願いしていました。保育園は、母乳を預かってくれる仕組みもあったのですが、そこまでしなくていいかな、と考えていました。 粉ミルクを作るのに愛用していたのは、「やさしい赤ちゃんのみず」で、煮沸した水がペットボトルで売っているモノです。煮沸した水を一旦冷ましてやるのは作業としては大変で、作りにくかったのですが、この水の存在を知ってからは、こちらを活用して、半分熱湯で粉ミルクを溶かし、常温のペットボトルの水を追加すると、ちょうど赤ちゃんが飲みやすい温度になりましたよ。 今後も、理系の研究者が母親になって感じた日々の疑問について、私なりに調べ、考えた結果を共有していけたらと思っています。
PROFILE
【山口利恵】 6歳の子どもを持つ母親で、博士(情報理工学)。普段は、東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターの特任准教授として、情報系の研究を推進。また、情報オリンピック日本委員会や国際大学対抗プログラミングコンテストのメンバーとして、中高・大学生の数理情報科学教育の振興にも邁進。趣味はクラシック音楽。