ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は３日、中露主導の国際協力の枠組み「上海協力機構」（ＳＣＯ）の首脳会議に合わせ、カザフスタンの首都アスタナで会談した。プーチン氏と習氏は、ウクライナ侵略と台湾情勢を巡ってそれぞれ対立する米国への対抗を念頭に、中露が連携を強化する方針で一致した。両首脳の会談は北京で５月に行われて以来。 会談冒頭でプーチン氏は「ＳＣＯは公正で多極的な世界秩序の重要な土台の一つだ」と指摘。プーチン氏がＳＣＯを、自身が批判する「欧米一極集中の世界秩序」への対抗軸として位置付けていることを改めて示した。「中露協力は国際情勢の重要な安定化要因の一つだ」とも強調し、中露の結束を今後も強化していく意向を表明した。 習氏も、プーチン氏の５月の訪中が「中露関係発展の優先的な方向を指し示した」と中露の団結を強調。世界が「変乱」の時期にあるとした上で、中露は「両国の正当な権益を守るために努力しなければならない」と述べた。（小野田雄一、北京・三塚聖平）